March 17, 2007

世田谷文学館「ムットーニのからくり書物」

ムットーニと聞くとどこぞのイタリアン人かと思ってしまうが、実は日本人アーティストである武藤政彦の別名。1956年生まれ。元は洋画家だったらしいが、80年代後半から、からくり箱、自動人形の分野に傾倒。メジャーでの知名度ではイマイチかもしれないが、ごくごく一部の人たち(笑)には熱狂的に支持されている。
世田谷文学館にはもともと三点のムットーニ作品が、 常設で置かれていたのだが、新作の公開に伴い、既存作品8〜10点を集めた企画展が開催されているのだ。今回の企画展用に展示されていたのは、新作を含む13点。代表作の『カンターテ・ドミノ』(これ大好き)はやっぱりあった。半分近くが2006年の新作で、かなーり嬉しい。個人的に一番好みだったのは村上春樹の同名タイトルに着想を得て制作された『眠り』。物語が本来持つ力と、自動人形独自の魅力、からくり箱ならではの意外なトリックが渾然一体となって得も言われぬ濃密な雰囲気を醸し出していた。瞬間魂奪われそうになった。やるなあ、このオッサン。陽の光の下では輝けない輝きがここにあったよ。
残念ながら今回は展示品のみだったのだが、ムットーニの場合、自身がその場で演奏し、口上を述べる時がある。もともとそっち方面の専門家じゃないから、正直言って、技術的に上手いとはお世辞にも言えないのだが、なんとも雰囲気がある語り口で、昔ながらの大道芸人、イカサマ師(褒めてる)のオーラが漂っていて惹き付けられるのだ。藤田和日郎とか好きな人なら絶対ハマると思う。

企画展は4/8まで。金曜と日曜はムットーニ本人が案内をしてくれるのでオススメ(14時、16時)。有料のスペシャル上映会や、セミナーも設定されているのだが、こちらは申し込み制で残念ながらいずれも満席で受付が終了している。ムットーニ本人には会えないが、週末でも午前中に行けばガラガラなのでこちらもオススメ。心ゆくまでかぶりつきで、めくるめく自動人形の世界を堪能出来る。

[世田谷文学館]
[企画展「ムットーニのからくり書物」 ]
[企画展公式ブログ]
[ムットーニ公式サイト]

投稿者 nununi : March 17, 2007 11:35 PM
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