May 01, 2007

鞍馬から貴船へ

旅行四日目。四日目にしてようやく京都観光編に突入。本日は鞍馬と貴船を一日で歩いて回る行程だ。鞍馬も貴船も以前から行きたいと思っていた場所だったのだが、何分市街地から遠いのでついつい先送りになっていた。朝から雨なので逡巡したものの、幸い雨天装備は持ってきている。とりあえず現地までは行ってみることにした。

ルート:鞍馬駅(10:35)-鞍馬山ケーブル山門駅(10:40)-鞍馬山ケーブル多宝塔駅(10:42)(休10)-鞍馬寺(11:04)-奥の院魔王殿(11:36)-貴船神社(11:53)(休20)-貴船神社奥宮(12:35)(休5)-奥貴船橋分岐(12:52)-(休10)-滝谷峠(13:45)-樋之水峠方面分岐(14:15)(休5)-大岩分岐(14:58)-二ノ瀬駅(15:35)

京阪の丸太町から出町柳まで移動して叡山電鉄に乗り換える。平日なので車内は学生が多い。彼らの多くは京都産業大と京都精華大の学生で終点までには降りてしまい、終着駅の鞍馬で降りたのは数えるほど。観光地としては寂しい限りだが、平日+雨天という状況を考えるとこんなものなのだろうか。

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左:鞍馬寺 中:鞍馬寺山門 右:鞍馬山ケーブル(牛若号III)

駅を出て左へ進むと鞍馬寺の石段が見えてくる。山門を抜けると鞍馬山ケーブルの山門駅。本来なら歩いて登るべきところだが、ヘタレなので迷わずケーブルカーを使う。このケーブルカーは鞍馬山鋼索鉄道が正しい名称で、鞍馬寺本体が参詣者のために運営しているもの。宗教法人が運営する鉄道というのも珍しい。運賃設定は存在しないが、寄付金として\100を支払う必要がある。

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鞍馬寺金堂。けっこう新しい。1971年の再建。


標高差200メートルを2分で移動。ありがたや。山上の多宝塔駅で雨天装備に着替える。雨は相変わらず降っているが、それほどの勢いは無い。貴船までは歩いてみることにする。石畳の道を10分ほど歩くと鞍馬寺の金堂に到着。鞍馬寺は源義経が幼少期を過ごしたことで余りにも有名な寺院。創建は8世紀後半と古く、鑑真の高弟鑑禎の開基とされている。

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奥の院へ続く。

平日とはいえ観光地の寺なので他の参拝客もちらほら境内には散見される。全身オレンジ色のレインスーツ姿のわたしは正直かなり浮いている(笑)。恥ずかしいので先を急ぐ。金堂に向かって左奥が奥の院へと通じる小径となっている。細い石段を上がり「これより奥の院へ」と記された看板を過ぎると足元の石畳が土の地面に変わっている。ここからがようやく登山の領域だ。
義経の背比石を越えたところから道は下りになっている。古くから「木の根道」と呼ばれてきただけあって、道には木の根が無数に張りだしていて歩きにくく、さらに雨で滑るので注意が必要。しばらく下って開けたところが僧正が谷。不動堂と義経堂がある。義経が天狗から剣術を習ったとされるのがこの場所だ。

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奥の院魔王堂。なんだかスゴイネーミングである。

けっこうな山道なのだが、それでも人(not登山者)が歩いているのはさすが京都。談笑しながらガンガン歩いていくおばちゃんたちはスゴイと思った。更にしばらく進むとようやく鞍馬寺の奥の院、魔王殿に到着する。ここから少々素敵なお話になるのだが、ここには護法魔王尊が祀られている。護法魔王尊は650万年前に金星よりやってきた存在で、人類救済の使命を帯びているらしい。仏教がどうこういう以前からこの地はなんらかのスペシャルな場であったようだ。
そんな事情があったりするので、この地はスピリチュアルな皆さんに取っては大切なパワースポットで、けっこういろいろな人たちがやってきているらしい。この日もお堂の中にはうずくまってブツブツ喋ってる正体不明のワカモノさんがいらっしゃって正直真剣にビビった。これから奥の院まで足を伸ばそうという方、くれぐれも自己責任で。

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左:貴船川 中:貴船神社拝殿 右:貴船神社入り口

あんまりビビったので休憩も取らずに貴船まで歩き通してしまった。奥の院から貴船までは下りで徒歩20分弱の道のり。ふたたび人界に降りてきた感じがしてホッとする。貴船川を渡って右へ。舗装された路面をテクテクと上流方面に歩いていくと貴船神社に到着である。
貴船神社は水神である高おかみの神(「おかみ」の字は雨かんむりに口が三つ、さらにその下に龍)を主神とする。この神社も創建は古く、鞍馬寺よりも更に前、少なくとも千五百年はさかのぼれるらしい。雨乞いの社、絵馬発祥の地、丑の刻参りゆかりの地としても名高い。神社好きとしてはたまらない魅惑の社であるといっても過言ではあるまい。

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貴船神社中宮。結社。

本殿の参拝を済ませてから、貴船川に沿って五分ほど上流方向に進むと左手に結社(ゆいのやしろ)が見えてくる。磐長姫命を祀る社で縁結びのスポットとして有名。平安時代には夫の寵を失いかけた和泉式部本人も参拝していたらしい。

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左:貴船神社奥宮 中:舟形石 右:舟形石を別のアングルから


更に上流過程へ遡ること数分。思ひ川を越えて短い参道を抜けると開けたところに出る。奥に見えるのが貴船神社の奥宮だ。11世紀半ばに水害で遷されるまではこの地が本宮であった。社の中には龍穴と呼ばれる穴があり、かつては水が湧き出ていたらしい。
向かって左手に見える不思議な石の塊は舟形石。貴船の名前の由来にはいくつも説があるが、神武天皇の母であった玉依姫が淀川、鴨川、貴船川を遡ってこの地へとたどり着いた時、御座舟の色が黄色かったからというものがある(黄色い船⇒黄船⇒貴船)。舟形石は玉依姫が乗っていた船を小石で覆い隠したものであるとされている。以前から存在としては知っていたが、こうして実物を目の当たりにすると感慨深い。

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左:奥貴船橋の分岐 右:滝谷峠


さらに貴船川の水源を辿るように上流へと進んでいく。奥貴船橋の分岐で滝谷方面の道を選ぶ。舗装された路面はここでオシマイ。これより先は再び登山の領域である。結局最後まで歩いてしまいそうだ。貴船川の源流の一つである滝谷の流れを遡上する。雨は相変わらず振っているが支障になるほどではない。道は明確過ぎるくらいにハッキリとしているのであとは登っていくだけだ。
滝谷峠から先の道はほとんど傾斜の無い歩きやすい道となっていた。極力アップダウンをしなくて済むように道が敷かれている。完全に樹林帯なので雨も下までは落ちてこず快適そのもの。東斜面から噴き上げてくる風が強いので、吹き出した汗も瞬く間に乾いていく。逆に体を冷やさないための配慮が必要だった。レインスーツはこういう時に風よけにもなるので便利だ。

「ユリ道」とは山腹につけられたまき道のこと。帰路に使った二ノ瀬ユリ道は、貴船神社の参道を交易の道として使うのは畏れ多いからという理由で造られた古代の交易の道なのだそうだ。登山道はえてして、古くからの交易路であることが多いが、それにしてもこの道の歴史は半端無いレベルである。晴れていれば鞍馬側の展望も望めるようなのだが、念願のコースを歩けただけでも満足しておくべきであろう。

投稿者 nununi : May 1, 2007 10:31 PM
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