2007年の年間ベストコーナー、最後は一般小説部門。通常は五冊なのだけど、次点でもう一冊加えて計六冊をピックアップしてみた。
●夜は短し歩けよ乙女 [森見登美彦]
●天帝のはしたなき果実 [古野まほろ]
●遠まわりする雛 [米澤穂信]
●蛍 [麻耶雄嵩]
●蘆屋家の崩壊 [津原泰水]
次点⇒オクシタニア [佐藤賢一]
いずれも甲乙つけがたい傑作揃いながらも、あえてナンバー1を決めるとすると『夜は短し歩けよ乙女』を推したい。とぼけた文体、ふわふわとした夢見心地のような幻想的なストーリー。いつまでも作中の世界に浸っていたいと思わせる心躍る幸せ空間を現出せしめた手腕はお見事というしかない。
『天帝のはしたなき果実』由香里ちゃん愛してます!いくらなんでも無茶しすぎ。極度に読み手を選ぶ作品。ペダントリーという言葉を使うのが憚られるほどのヲタ知識の奔流を楽しめるようになると、これが実はやみつきになってくるから不思議。まさにメフィスト賞で無いと出てこないような作品。
『遠まわりする雛』千反田かわいいよ千丹田。日常の謎系ミステリとしても秀作だけど、ここは作者の思惑通り、素直にキャラに萌えておいた方が物語を楽しめそう。ビターエンドの魔術師こと米澤穂信がこの先に鬱展開を用意していませんように。なむなむ。
『蛍』本格陣営からはこの一作をプッシュ。本格ミステリを読んでいて、久しぶりにこれはすごいと唸らされてしまったのがこの作品。周到に張り巡らされた精緻な仕掛けの数々に驚け!
こちらも旧作で恐縮だけど、ホラー陣営からは『蘆屋家の崩壊』をセレクトしたい。和テイストの怪奇連作短編集。民俗、土俗ネタが好きな人にはおそらくたまらない一冊となる筈。食べ物の描写がとにかく美味しそうなのも◎。
次点として『オクシタニア』を入れてみた。サトケンの見てきたような嘘をつく力は天下一品。舞台は中世のフランス。日本人には馴染みの薄いカタリ派異端ネタだけど、歴史好きなら(そうでなくても)是非読んで欲しい作品。
ってことで、これで2007年の年間ベスト企画はめでたく終了。洋モノがあまり読めなかったので、2008年はちょっと意識して海外作品を読む量を増やしてみるつもり。出来ればエスエフも増やしたいなあ。
投稿者 nununi : January 23, 2008 10:46 PM