2000年3月

傾向偏りすぎ?ライトノベル強化月間でした。秋山完は大収穫。ソノラマ文庫あなどれんなあ。

書籍名
作家名
出版社
価格
コメント
お薦め度
清水マリコ パラダイム
\860
ゲーム作品(KANON)のノベライズ。ま、こんなもんか。
★☆
飛行船の時代 関根伸一郎 丸善ライブラリー
\620
第一次大戦と第二次大戦の間の戦間期を彩った飛行船。その栄光と凋落。イカしてます。
★★★☆
KANON 笑顔の向こう側に 清水マリコ パラダイム
\860
ゲーム作品(KANON)のノベライズ。全部で5冊出るらしい。
★☆
嵐のルノリア
グインサーが71
栗本薫 早川書房
\520
ここにきてこのブラックな展開。素晴らしい。ナリス様最後の敵たるものこれくらいは強くないと。
★★★☆
AD2015隔離都市
ロンリネスガーデン
桜庭一樹 アスキー
\640
仕掛けに凝りすぎて、キャラがあんま立ってない。いまいちかな。
★★
ONE'S MEMORY 久弥直樹 同人誌
\1,000
名作ゲーム『One』のシナリオライター本人作の同人誌。が、それにしちゃイマイチなクオリティ。
★★
ラグナロク 黒き獣 安井健太郎 角川書店
\580
第一巻からこんなに飛ばしすぎでいいのか?
★★
龍臥亭事件 上 島田荘司 光文社
\940
ずっととっといたけど遂に読んだ。相変わらずの島田節。作中小説が長え?のなんの。
★★☆
龍臥亭事件 下
\940
ラグナロク 白の兇器 安井健太郎 角川書店
\620
全編戦闘シーンなんだけど。いいのかこおいうのって。
★☆
ペリペティアの福音 上
聖墓編
秋山完 朝日ソノラマ
\490
久々に読んだSFらしいSF。惜し気もなくつぎ込まれたSF的ガジェットの数々が見事に結晶。ラストも泣かす。
★★★★
ペリペティアの福音 中
聖誕編
\550
ペリペティアの福音 下
聖還編
\657

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Kanon 雪の少女 [清水マリコ] ★☆ パラダイム (\860) [Amazon] ※書影無し

数年振りに訪れた北の街。降りしきる雪の中で再会する幼馴染。封印された記憶。ここで、とても大切な人に出会っていた筈なのに……

Windowsの名作ゲーム『Kanon』のノベライズ第一弾。予想されていたことではあるが、5冊も出るらしい。ヒロインが5人いるわけだら当然なんだろうけど、並の作品ではここまで大判振る舞いは出来ません。人気作品ならではの扱い。

第一弾は幼馴染少女/名雪編。5人の中ではエピソード的に一番引きが弱いので気になってはいたけど、、ノベライズ版でもそれは変わらず。盛り上がりに欠けるのが残念。いいハナシなんだけどね。[2000/03] ⇒次巻

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飛行船の時代
[関根伸一郎] ★★★☆ 丸善ライブラリー (\620) [Amazon] ※書影無し

飛行技術が未確立だった20世紀初頭。飛行船は航空機を凌ぐ空の王者だった。豪華で快適な空の旅を実現させた飛行船だったが、空前の大不況、強まるナチス支配はその未来に暗い翳を落としていく。

今でこそ宣伝用のモノが飛んでいるのを見ることがあるくらいだけど、20世紀初頭は飛行船の時代でした。こんなにドでかいものが空を飛んできた時の当時の人々の驚きを想像してみるだけで興奮させられる。写真も豊富で楽しい。[2000/03]

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Kanon 笑顔の向こう側に [清水マリコ] ★☆ パラダイム (\860) [Amazon] ※書影無し

数年振りに訪れた北の街。降りしきる雪の中で出合った薄倖の少女。封印された記憶。ここで、とても大切な人に出会っていた筈なのに……

『Kanon』ノベライズシリーズ第2弾は栞編。病弱薄幸少女との恋愛という、いまさら恥ずかしくて誰も書けないネタに挑戦。っていうかノベライズだからしょうがないけど。ゲームなら巧みな演出と音楽のノリで泣かされてしまう話も、文字だけで読まされるとあまりにベタな展開にたじろくばかりなのでした。[2000/03] ⇒次巻

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嵐のルノリア グインサーガ71
[栗本薫] ★★★☆ 早川書房 ハヤカワ文庫 (\520) [Amazon]

嵐のルノリア―グイン・サーガ(71)

季節はずれの嵐に見舞われたクリスタル。その最中リンダは国王レムスから突然の召還を受ける。会見の最中隠された本性を剥き出しにするレムス。異変を察知したナリスは蜂起を早める決意を固める。

グインの戴冠式も終わりましてパロ内乱編本格始動。ここにきてリンダ&ヴァレリスが共に捕縛されるというダークな展開がどきどきさせてくれます。ナリス様の最後の敵たるものこれくらい強くなくては。このどろどろした展開はたまらんものがあります。しかしリーナスは素晴らしい。死んでからの方がキャラが立つなんて(笑)。[2000/03] ⇒次巻

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AD2015隔離都市 ロンリネスガーデン
[桜庭一樹] 
★★ アスキー ファミ通文庫 (\640) [Amazon] ※書影無し

21世紀初頭。ウイルスの発生により隔離都市となった新宿に一人の男が帰ってきた。変わり果てた故郷で男が見たものは。

仕掛けに凝りすぎちゃって、ちとキャラが弱くなっちゃったかな。この手の本(アスキー文庫とか)ってやっぱりキャラが立ってないときついと思うなあ。[2000/03]

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ONE'S MEMORY [久弥直樹] ★★ 同人誌 (\1,000)

「えいえんの世界」に旅立った想い人を待ちつづける盲目の少女。川名みさきの空白の1年間を描く。

PCゲームの世界ではものすごく有名な『Kanon』とか『One』のシナリオを担当した人。本書は『One』の外伝的な作品。借りて読んだものだけど、マニア間ではすごい値段で取り引きされている本らしい。ゲームでファンの涙をしぼりつくしたあのシーンの「その後」を描いている点もポイントが高いのかも。小説というよりは散文詩のような内容に、ちょっとげんなり。まさにファン向けかな。[2000/03]

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ラグナロク 黒き獣
[安井健太郎] ★★ 角川書店 角川スニーカー文庫 (\580) [Amazon] ※書影無し

人波外れた技量を持ちながら傭兵ギルドを抜け一匹狼として生きる男リロイ・シュバルツァー。手にするは伝説の剣ラグナロク。天才的に運が悪いリロイの元へは次から次へとトラブル訪れる。

第3回スニーカー大賞の大賞受賞作品。評判なので読んでみる。ある意味すごい。徹頭徹尾戦闘シーンといっても過言ではない。物語ありきというより、まず戦闘シーンありきなのだ。映像的な作風なのかもしれないけど、ここまで中身薄いと読んでてつらいなあ。[2000/03] ⇒次巻

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龍臥亭事件 上・下
[島田荘司] ★★☆ 光文社 光文社ノベルズ (各\940円) [Amazon:上巻/下巻] ※書影無し

御手洗潔が日本を去って1年半。茫漠たる日々を過ごしていた石岡の元へ一人の女性が訪れる。彼女は悪霊を払うために岡山の山村まで一緒に付いて来て欲しいというのだ。断りきれず思い腰を上げた石岡だったが、またしても身の毛もよだつ連続猟奇殺人に巻き込まれていく。

大阪出張中にで読了。買ってから1年くらい寝かせていた本だが遂に読んだ。天才なのに連続殺人を防げないという世間の批判(笑)を受け、とうとう今回は御手洗は登場しない。とうとうこういう手できたか。

あいかわらず作中作が長い。津山30人殺しがモチーフになっております。断片的にしか知らなかった事件なので、雑学補完的には楽しかったが、ミステリとしてはどうなんだろう。ラストのオチ(っていうか犯人)もいつものパターンといえばいつものパターン。ちょっとだけ『異邦の騎士』を思い出させてくれる。ラストで出てくるあの人はきっと次への伏線なんだろうなあ。[2000/03]

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ラグナロク2 白の兇器
[安井健太郎] ★☆ 角川書店 角川スニーカー文庫 (\620) [Amazon] ※書影無し

港町カナンに現れたリロイ。早くも悪名高き海賊集団との争いに巻き込まれる。ようやく海賊たちを退けたのも束の間、圧倒的な破壊力を誇る「グレイプニル」を駆る男テュール・ヴァイスがリロイに襲いかかる。リロイを付け狙う謎の組織ヴァルハラとは?

引き続き第2巻。1巻で内容が薄いと書きましたが、間違ってました。この2巻の方がもっと薄いです。1巻は仮にもコンテストの応募作なので、それなりに起承転結も出来ていたんだけど、続巻のこれは、ややパワーダウン。えんえんと続く戦闘シーンにおなかいっぱい。勘弁してくれ。[2000/03] ⇒次巻

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ペリペティアの福音 上・中・下 [秋山完] ★★★★
朝日ソノラマ ソノラマ文庫 (\490/\550/\657) [Amazon:上巻/中巻/下巻] ※書影無し

ヨミ・クーリエ社の新米葬祭司補ティックは、何たる運命のいたずらか、偉大なる銀河皇帝フォークトの葬儀を司ることになってしまう。葬儀会場となった惑星ペリペディア。銀河のゴミ捨場だったこの惑星がにわかに銀河中の注目を集めることに。大帝の遺産をめぐり繰り広げられる死闘。ペリペディアの秘密とは一体何なのか。最後に訪れる大いなる福音とは……

これは当たりだ。『SFが読みたい(2000年度版)』を見て一気に購入。クローン、多重人格、死と再生、舳先舵手の少女、銀河帝国の興亡、、、挙げていけばきりがないほどのSF的要素を惜し気もなく盛り込んだ贅沢な作品。並みの作家だったらこの中の1アイデアだけで1冊書いているだろう。散りばめられたファクターが一気に収束していく終盤は読み応え十分。それにしてもラストでの舳先舵手の女の子のエピソードは秀逸。SFでないと味わえない感動的シーンだろう。[2000/03]

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