例年通りスタートダッシュは良かったけど後半もたついてあまり読めない月なのでした1月は。
『白夜行』、『汝ふたたび故郷に帰れず』、『理由』の★★★★3連戦は至福の時でした。
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| ライオンハート | 恩田陸 | 新潮社 |
\1,700
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今世紀はこれからスタート。
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★★★☆ |
| 東野圭吾 | 集英社 |
\1,995
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潔いまでの「書かない」ぶりが○
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★★★★ | |
| 飯嶋和一 | 小学館 |
\1,600
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タイトル名かっちょええ〜。
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★★★★ | |
| 宮部みゆき | 朝日新聞社 |
\1,800
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スタイルいつもと違います。
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★★★★ | |
| 舞岡淳 | 光文社 |
\848
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発想はいいんだけど。
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★★ | |
| 小野不由美 | 講談社 |
\629
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慶国主従が一番好き。
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★★★☆ | |
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\629
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| IT革命?そんなものはない | 柳沢賢一郎 東谷暁 |
洋泉社 |
\680
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そうそう。確かにないかも。
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★★☆ |
| 岩本隆雄 | 朝日ソノラマ |
\619
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10年振りの復刊。
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★★★ | |
| 盗まれた街 | ジャック ・フィニィ |
早川書房 |
\505
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恩田陸の『月の裏側』に激似(逆だってば)
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★★★ |
| 森博嗣 | 講談社 |
\800
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萌絵ちゃんファンなら買うべき
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★★☆ | |
| 東野圭吾 | 文藝春秋 |
\1,492
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科学のミステリ
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★★★ | |
| マイケル ・ドロズニン |
新潮社 |
\1,900
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胡散臭いけどやめられません。こういう本。
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★★★ | |
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ライオンハート [恩田陸] ★★★☆ 新潮社 (\1,700) [Amazon] |
| ついでに…… 『リセット』@北村薫 <<こっちは北村版の時間メロドラマ |
一人の男が殺された。容疑者は不可解な事故死を遂げたものの、これで事件は解決したかに見えた。「何かが間違っている」。刑事の疑惑をよそに捜査本部は解散。しかしこの出来事は事件の渦中にいた少年と少女の人生を大きく変えていくことになる。罪を重ねながら偽りの世界を生きていく二人。その辿りついた先は……
絶対に面白い本しか読みたくない年始めの読書には東野圭吾は欠かせません。昨年の『秘密』に続き、今年も読んじゃいました。ここニ、三年の東野圭吾の安定ぶり(それもとてつもなく高水準)は瞠目に値するものがあります。これだけのボリュームがある作品を連発して、しかもどれもこれも傑作ばかりなんだから凄いよね。相変わらずタイトルセンスもグッドです。
非情なまでに罪を重ねていく主人公の二人。しかし彼らの心境や、実際の犯行場面はほとんど描かれない。数々の出来事を第三者からの視点で執拗なまでに掘り下げていくことで二人の生き様が鮮やかに浮き彫りにされていく。熟達したテクニック無しでは到底なしえないことに挑戦し、見事成功してしてしまうんだから見事です。「書かない」ことで何倍も話が面白くなっている。かつて宮部みゆきが同じことを『火車』でやってるけど、こっちは二人分だからなあ。[2001/01]
新田駿一は将来を嘱望されたミドル級ボクサーだった。しかしアルコールで体を壊しボクシングに見切りをつけた駿一は負け犬のようにこっそりと故郷の島を訪れる。時の流れを経ていてもいまなお島の人々の心は暖かく駿一の精神は徐々に癒されていく。そんな日々の中、ある訃報がもたらされる。
極めて寡作でありながら骨太に男の生き様を描き、豊穣なる物語を紡ぎ上げることに関しては他の追随を許さない飯嶋和一(手放し誉め)。ずっと探していた初期作品 [Amazon] なのですが、『神無き月十番目の夜』 [Amazon] 『始祖鳥記』の好評価を受けついにリバイバル版で復刊。欣喜雀躍の思いであります。待ってましたの一冊。
よくあるボクサー復活モノだとあなどるなかれ。飯嶋和一テイストのボクシング小説が熱くならないわけがないのだ。自分ではなかなか気付くことはないのだけれども、多くの人々の想いはつながっている。不甲斐なく引退を決めた主人公に「共に闘えて光栄でした」とメモを残したジムの会長。死ぬまで主人公の活躍をスクラップし続けた島の彦兄ィ。疎まれながらも応援を続けた地元の人々。そりゃもうお頂戴涙コンテンツ盛り沢山であざといなんて言われちゃうかもしれない。でもそんなことはどうでもいいと思える程人々のディティールは書き込まれていて確かな存在感を感じます。
周囲の人々の想いを受け止め成長していく主人公。再起戦に向けストイックに自らを砥ぎ澄ましていきます。ここでは主人公と共に読者のテンションもガンガンあがっていく。そして決戦の日。何事も入念に取材して書いてるんだと思うこの作者ならではの力の入りようで、素人が読んでも激戦の光景がありありと浮かんでくる迫真の描写。アドレナリン出てますきっと。いやホント堪能させていただきました。
それから短編があと二編収録されてます。「スピリチュアル・ペイン」は飯嶋版『鉄道員』とも言える老鉄道屋の最後の赴任地での物語。「プロミストランド」は禁止された熊撃ちに己の存在意義を燃やす男の物語。いずれもお薦め。[2001/01]
下町の超高層マンションで発見された四つの死体。「一家四人殺し」と呼ばれたこの事件は何故起こったのか。四人は部屋の本来の住人ではなく、そして実際は家族ですらなかったのだ。捜査を進めるにつれ次から次へと事態は複雑さを増していく。犯人は誰なのか。四人の正体は。何故彼らは「家族」として共に暮らすようになったのか。
面白い切り口です。特定の主人公は本作の場合存在しません。テイストはノンフィクション。あたかも実在の事件について語るルポルタージュ作品のように終始事件の外側からの視点を貫き通します。結果としてはこの試みは大成功。宮部作品特有のハートウォーマーなノリが好きになれないわたしとしては、このくらい抑圧的な筆致に徹してくれていた方が好感がもてるようです。
本作のテーマは「家族」。仮想家族であった被害者一家は元より、住宅ローン破産で家を手放した家族、その家を競売で競り落とした家族、容疑者を保護した家族、被害者の一人に娘を妊娠させられた家族……もうまだまだたくさんあるんだけど、多種多彩な境遇、階層の家族を乾いたタッチで克明に描いていくさまは圧巻。先が気になって気になって読みはじめたらもう止まらんです。
本作のスマッシュヒットは片倉ハウスの信子ちゃん。こんな事件の中で一服の清涼剤ともいうべき清々しい魅力にあふれております。ラストの描写とても良いですぞ。[2001/01]
元会津藩士片岡新十郎は久々に故国の地を踏み愕全とした。幕府は崩壊。会津藩は朝敵として艱難辛苦の末に下北半島へ移封。家族も誰一人として生き残ってはいなかった。鬼と化した新十郎は栄耀栄華を極める薩長牛耳る明治政府に凄絶な復讐戦を仕掛けていく。
この作者は方々のミステリ系コンクールで惜しくも選外、ってのがずっと続いてきている方らしい。本作も第三回日本ミステリー大賞の応募作ながら惜しくも選には漏れた作品。さすがに惜しいということでこのたびカッパ・ノベルスで出版にこぎつけたようです。
いろいろと惜しい作品。主人公の視点以外に、旧幕府側の勝海舟の視点。警視庁の川路利良の視点を用意しているのだが、同じ事件をそれぞれの視点で何度も説明してくれるもんだからくどいのったら無いです。テンポ悪〜。なかなか主人公が登場しないだけに気分が落ち着かず、主人公が出たと思ったら方々へ視点が切り替わる。このあたりなんとかならなかったのでしょうか。編集者ってこういう事って直さないのかな。
それからタイトル。センス無さ過ぎ。これじゃ全然印象に残んないよ。山田風太郎の明治モノタイトルの格好良さを見習って下さい。[2001/01]
景王として登極を果たしながらも官に侮られ思うに任せぬ陽子。海客として流され言葉も通じぬ異世界で辛吟を重ねる鈴。王の娘として生まれながらその地位を失い一介の平民に身を落とされた祥瓊。それぞれの道を歩んできた三人の少女の軌跡が交わる。慶国和州に不穏の動きあり。少女たちそれぞれの戦いが始まる。
十二国再読シリーズ第四回。今回はお久しぶりの陽子主上アゲイン。不幸のオンパレードが続く祥瓊編と鈴編。ひとつ間違えば説教臭い「がんばれ小説」になりかねない所なんだけど、そうならないのは更に厚みを増した世界観のディティールの奥深さと、ストーリーテリングの妙味なんだろう。
キャラクターの正体を隠してストーリーを展開させて最後にバタンとひっくり返してああびっくり。というのは小野主上の必勝パターンではあるが、本作ではそれを複数のキャラクターでやってしまっているあたり熟練の腕の冴えを感じます。結局麦州候って最後だけしか出ないのですね。これは意外でした。全然忘れてたよ。[2001/01] ⇒次巻
ヴァーチャルモールはどこも儲かっていない。ITの導入は生産性の向上に繋がらない。eコマースはおよそ現実味が無いシステムである。インターネットに有意義な情報は流れない。空前のブームに湧く世論に真っ向から立ち向かい、IT革命の虚妄を人々に知らしめんとする警世の書。
確かにDoCoMoのやってるi-modeでこんなに世の中便利に!がんがん効率化してバラ色の未来〜ってな異常に明るいCMには空恐ろしいくらいの嘘臭さを感じずにはいられない。なんか騙されてるんじゃないの俺たち?こんなに凄い勢いでみんなでこっちに行っちゃっていいの?なんてことを思ってる人には嬉しい本かもしれない。
しかしこれだけあちこち否定してまわるのであればもう少しデータをしっかり揃えて反証した方が良いのでは。本人たちは理解出来ていてもこれだけでは一般人は納得出来ないです。ひょっとして売名ですか?なんて勘繰りも入ってしまう。あまりに少ないページ数(僅か201頁)なので無理も無いとは思うけど。[2001/01]
宮脇年輝の不幸は筋金入りだ。身寄りもなく、莫大な借金を抱え、守銭奴そのものの雇い主の下でタダ働き同然の暮らしを強いられていた。そんな年輝に追い打ちをかけるような災難が訪れる。無気味な伝説の残る「入らずの山」で妖怪天邪鬼に取り憑かれてしまったのだ。日々成長を続ける天邪鬼との生活の中で年輝の生活は大きくかき乱されていく。
『星虫』の後を受け1991年に新潮文庫ファンタジーノベルシリーズの一作 [Amazon] として発表された作品を大幅加筆改訂。ソノラマ文庫にて復刊したもの。『星虫』『鵺姫真話』そして本作でセットの作品群。それぞれのストーリーは巧みにリンクしています。本作が三作の中では年代的に最も最初の物語となります。
まっすぐな宇宙への想いを熱く訴えた『星虫』の方が客観的に見て完成度が高いかなと思います。趣向にも富んでるしね。本作は後半のイーシャの正体にまつわるネタがあまりに都合が良すぎていささか辟易します。でもね、ラスト。クリスマスの街を連れ歩く主人公たちの輝くばかりのそりゃもう頂点極めちゃってますよ。ってなくらいの幸せぶりは素直に祝福してあげたくなります。このシーンがあるだけで全部許しちゃおう。[2001/01]
アメリカ西海岸の小さな街サンタ・マイラ。そこで開業医を営むマイルズの元へ次々と奇妙な相談が寄せられる。自分の家族が何時の間にか家族でなくなっている。別人に入れ代わっているというのだ。当初は集団的な心理錯覚だと判断していたマイルズだったが、友人宅で見た奇妙な死体に戦慄とさせられる。その死体は次第に友人の姿に変貌を遂げていくのだ。恐るべき侵入者たちに対して人類の取るべき手段とは……
恩田陸の『月の裏側』はこの作品へのオマージュであるとされ、そんなら読んでみようということで購入。古典とも言える名作で訳が福島正実(SFマガジン初代編集長)なのには感激。原題は「Body Snatchers」ということなのできっとあの名作ゲーム「スナッチャー」もきっとこれ意識してるんだろうなあ。
謎の侵略者の正体は宇宙からの来訪者だった!ってなオチのつけかたにはさすがに古さを感じるし、唐突といえばあまりに唐突な幕引きにも突っ込みを入れたくなるけれども、じわじわと見知った人々がスナッチされていく怖ろしさは良く描かれていて、わかっていながらもぞくぞくさせられます。巧い。しかし、これを読むと『月の裏側』って本作へのオマージュというよりは翻案に等しいなあ。[2001/01]
N大学の医学部に通う学生小鳥遊練無は友人の香具山紫子に誘われて「ぶるぶる人形を追跡する会」に参加する羽目になってしまう。そこで練無はフランソワと名乗る美女に出会うことになる。ぶるぶる人形の謎を求め学内を彷徨する一行。果たして現れたぶるぶる人形の正体とは?森作品の人気シリーズの登場人物たちで綴る煌きの短編集。
わたしにとっては森作品の最大の魅力はキャラ萌えなので、こういう類のファンサービスは大変嬉しい。しかし八編の作品が収録されている中で、シリーズ絡みのものは僅かに三編。しかも犀川&萌絵シリーズとVシリーズの登場人物が共演するのは一編だけなので帯の惹句に釣られて購入すると裏切られた思いがよぎらないでもない。残り五編の非シリーズ作品との噛み合わせの悪さは明瞭なので作品集としてはまとまりに欠ける。看板シリーズを入れないと売上が違うだろうから仕方の無いところかな。萌絵ちゃんファンとしては久々に読めたのでとにかく嬉しかったけどね。[2001/01]
火の気の無い場所での突然の異常発火。製造方法不明の金属製デスマスク。心臓の部分だけが壊死した死体。「水中」での爆発事故。幽体離脱した目撃者。およそ常識では考えられない謎の数々に天才科学者が挑む。五編の連作短編集。
東野圭吾はこの手のテーマ連作的な作品も得意なようで、以前読んだ『天使の耳』 [Amazon] は交通事故を巡る連作短編でなかなか面白かった。本作は科学トリックをネタとした連作短編集。筋道だった説明なんて到底付けられないように思える奇妙な事件を天才(なのか?)科学者湯川が次々と一刀両断していきます。なんとなく『子供に受ける科学手品』を読んでいるかのようで、忘れていた「科学するココロ」が文系人間のわたしにも蘇ってきてなんだか楽しい作品集なのでした。続編『予知夢』 [Amazon] も昨年発売されているようなので入手出来たら是非読んでみたい。[2001/01]
あのニュートンが我を忘れて解読に没頭したと伝えられる聖書の暗号。ヘブライ語によって記された旧約聖書の五経典の304,805字を等距離文字列法を用いて最新のコンピュータで解析。そこには人類の歴史的事柄の数々が恐るべき具体性を持って記述されているのだという。聖書に秘められた人類の恐るべき未来とは。
はい。胡散臭いです。でもこおいうの大好きなのでついつい読んでしまいます。一定の法則で聖書から文字を拾っていくと有意味な文字列が同じ場所に幾つも現れてくる。しかもそれは実際の歴史的事実に完全に合致している。ということなのだそうです。確率的にこうしたことが起こるのは極めて稀な事であり断じて偶然では無い。と、わざわざ証明するための論文まで添付されています。当然のことながら作者にとって都合の悪い事例は無視されていると思われるので、眉に唾をべっとりつけて(汚いって)読まなくてはなりません。それにしても数千年も前に誰がどうやってこれほどの予言をなすことが出来たのか、という肝心な部分については言及を避けており肩透かしを食わされた感がある。まあ元が聖書なんで「神」ですって言われちゃうとそれまでだけど。[2001/01]