やはり『眠りの牢獄』@浦賀和宏が五月のイチオシでしょう。
やっぱり作品の善し悪しは本の分厚さでは決まりません。
これ今年のミステリ関連の賞ではいいところまで票取れるんじゃないかなあ。
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コメント |
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| 人間臨終図巻 I | 山田風太郎 | 徳間書店 | \724 |
死に様400人分
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★★★☆ |
| 友成純一 | 幻冬舎 | \533 |
すごいです。ぐちょぐちょ。
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★★★☆
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| 乙一 | 集英社 | \760 |
乙一デビュー作
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★★★ | |
| 谷甲州 | 早川書房 | \680 |
山岳冒険モノ。
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★★★ | |
| 桑原水菜 | 集英社 | \495 |
成田譲クンついに本領発揮。
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★★★ | |
| 斉藤直子 | 新潮社 | \1,400 |
仮想です。
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★★★ | |
| 谷山由紀 | 朝日ソノラマ | \490 |
和みます。ちょっといい話。
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★★★ | |
| 清涼院流水 | 幻冬舎 | \457 |
久々の清涼院。吉と出るか凶と出るか。
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★★☆ | |
| 伊豆平成 | 角川書店 | \552 |
この人は期待値高し。
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★★★ | |
| トップラン 第2話 | 清涼院流水 | 幻冬舎 | \457 |
退屈だよ〜。
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★★☆ |
| 金子達仁 | 幻冬舎 | \724 |
我ながら読むの遅すぎ。
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★★★ | |
| 森博嗣 | 講談社 | \840 |
意外にもラブストーリー。
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★★★☆ | |
| 浦賀和宏 | 講談社 | \720 |
初の非安藤作品。
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★★★☆ | |
| ベニー松山 | 集英社 | \562 |
ただ懐かしい。
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★★★ | |
| トップラン 第3話 | 清涼院流水 | 幻冬舎 | \457 |
もうだめかも。
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★★☆ |
| チャールズ ・シェフィールド |
東京創元社 | \600 |
すごい科学が魅せてくれます。
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★★★☆ | |
| 田口ランディ | 幻冬舎 | \495 |
この程度なの?
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★★☆ | |
| 広崎悠意 | メディア ワークス |
\570 |
ノベライズとして標準。
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★★☆ | |
| トップラン 第4話 | 清涼院流水 | 幻冬舎 | \457 |
持ち直しました。もうちょっと読んでみよう。
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★★★ |
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人間臨終図巻 I [山田風太郎] ★★★☆ 徳間書店 徳間文庫 (\724) [Amazon] |
| ついでに…… 『まずは一報ポプラパレスより』@河出智紀 <<一緒に第六回のジャンプ小説NF大賞を受賞した同期作品。河出智紀⇒後の小川一水ね。 |
登山家滝沢はヒマラヤ登頂を目指しながらも、数々の不運から一度も山頂にはたどり着けず多くの仲間を死なせてきた。久しぶりに帰国した日本で出会った不審な男はマナスル登山隊の隊長になれと迫る。愛する女の安全と引き替えに再度カトマンズへ降り立った滝沢だったが、その登山隊は偽装したチベットゲリラの一行だった。
1990年に単行本として刊行された作品の文庫化。谷甲州はSF作家として著名だけれども山岳小説の書き手としても知られています。続編の『神々の座を越えて』も刊行されています。
この手の山岳小説のありがちな形としては、トラウマを抱えた主人公が困難な山行をこなしながら過去の呪縛と向き合いそれを克服。その課程を通じて登山という行為の意義を哲学的な領域にまで高められたら二重丸。って感じかなと思うのですが、本作の主人公滝沢はそんな領域は軽々とクリア、恐るべき超人性をいかんなく発揮していき、優秀な一兵士として逞しく難局を乗り越えていきます。この超人ぶりは頼もしくはあるのだけれども、あまりにスーパーマンでありすぎて、一般人の共感を得るにはつらいものがあります。
青年海外協力隊時代に現地ネパールに滞在していた作者ならではのリアリティに富んだ都市カトマンズや、バイタリティに溢れたネパールの人々の描写は素直に楽しめた。ヒマラヤどころか冬場は高尾山にすら近づかないなんちゃってハイカーのわたしとしては、こうした作品はとても魅力的。とりあえず続編も読んでみよう。[2001/05]
ゴトビキ岩の謎を追い求め高耶たちは神倉神社を訪れる。しかし顕現した高倉下命の言葉は彼らを更にとまどわせるのだった。一方、全国規模でのセキゲイ宗排斥運動は過激さを増し、教祖と目される高耶には更なる追撃の手が迫る。そんな中で弥勒の力に目覚めた成田譲が遂にその姿を現す。
このごろはすっかり全国オーパーツ探索の旅と化している高耶一行。神社マニアとしては非常に楽しいのですが、まったく終わる気配が無いのはいかがなものでしょう。高耶と直江の葛藤は基本的にもうケリが着いちゃっているわけだから、とっとと本筋を進めて欲しいというのが正直なところ。展開遅すぎ。前巻から期間が空いてしまうと、これまでの話忘れちゃうんだよね。[2001/05] ⇒次巻
ルイ15世時代のフランス。美貌の騎士デオンは主人から困難な任務を託される。フランスと国交の無いロシアに赴き、ロシア皇帝に王の親書を届けなくてはならないのだ。一計を案じ女装することでロシア宮廷潜入に成功したデオンは見事にその責務を果たしてみせる。しかし名誉の帰国を果たしたデオンの前に意外な人物が現れるのだが……
第十二回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。この年は大賞は該当作なし。優秀賞もこれ一作とことのほか寂しい年でした。青空を基調とした表紙イラストは美麗で思わず手に取ってみたくなる出来の良さです。
ルイ15世やら七年戦争やら記憶の彼方に消えていた世界史の記憶を総動員。山川の用語集捨ててなくて良かった。歴史上の人物がわんさか登場しますがとても明快でわかりやすい文章なので安心です。この作者特有のユーモアを帯びた軽みのある文体で描かれるといずれの登場人物も魅力的に見えてきます。
しかしながらヨーロッパを舞台とした作品となると、比べても仕方の無いこととはいえ佐藤亜紀や高野史緒の作品がちらついて、どうしても印象が弱くなってしまうのは否めない。ファンタジーとしての要素はラストの一点にかかっており、え?これでお終い?的な物足りなさがどうしてもつきまとう。なぜ「仮想」なのかという主題をもっと深く掘り下げて欲しかったなあ。[2001/05]
甲子園を目指し、スポーツ推薦で入学を果たした名門校だったが肩を痛めて中退。以来人生の目的を見失っていた大内純一は従兄弟の勧めで留守中の彼の家で一人暮らしを始めることにした。従兄弟に頼まれた唯一のことと言えば猫の世話。しかし部屋で純一を待っていたのはボビーと名乗る奇妙な少年だった。ボビーは自らを猫だと言い張るのだが。
時々見かけるネットの評判はなかなか上々の谷山由紀。ライトノベル系はこのごろ良作を求めるアンテナが弱ってるのでこうした情報は大事にしないといけません。しかし哀しいことに新本ではほとんど手に入らないこの作家。ようやく古本屋で一冊ゲット。本当は最高傑作と呼ばれている『天夢航海』を探してるんだけど。
いい話です。ひねくれ者のわたしの視点から見てもとてもハートウォームな良品です。十年早く読めてたらというタイプの作品かなあ。表紙で一瞬萎えますが頑張って読んで見よう。挫折して、追いつめられ、閉塞した環境に逃げ込んでいた少年が自らの進む道を見つけだすまでの物語です。親に迷惑掛けた挙げ句、下宿先にまで押し掛けられたりした経験ある人にはかなりツボです。この話。[2001/05]
音羽恋子がマクドナルドで出会った男は見るからに胡散臭い男だった。「よろず鑑定士 貴船天使」と名乗るその男は一枚の心理テストを恋子に見せるなりこう告げた。「このテストを答えてくれれば99万円を差し上げます」。トップランテストと名付けられたその心理テストは回答者に値段を付けるためのものなのだという。興味津々回答に取り組んだ恋子だったが……。
グリーンマイル形式の文庫書き下ろし作品。全六冊。幻冬舎文庫は隔月発行なので丁度一年で全巻終了という形でした。これはその第一巻。古本屋で全巻揃いが購入できたので読んでみることにしました。清涼院流水と言えば数々の苦い思い出が脳裏をよぎりますが(笑)、そろそろまた騙されても良いかな。少しでもリアルタイムで読む雰囲気を味わうために一気に読まずに週一冊のペースで読んでいく予定です。
さて第一巻。懇切丁寧に家族紹介。導入としてはまあ、無難なところでしょうか。主人公がトップランテスト三十三問をひたすら回答していく様子を詳述していく部分はかなり退屈。今後重要な意味があるのだろうか。いちいち2000年1月の世相を丁寧に拾っていくあたりも謎。どう見てもこれは冗長な記述でしかない。これって実はしかるべき意義があるのでしょうか。なにせ清涼院だからなあ。とにかく早く次を読んでみたくなったのは確かだ。[2001/05] ⇒次巻
ロマヌアの悪魔と呼ばれた男ワイリー・マイスを護送せよ。それが新米護民官ルフィに与えられた任務だった。任地へ赴きワイリーの身柄を引き取ったルフィだったがその道中はいきなりピンチの連続に。次から次へと襲いかかる刺客たち。その背後にはワイリーの偽物の姿が仄見える。ルフィが暴き出す事件の意外な真相とは。
伊豆平成(いずのひらなり)と読みます。ゲームタイトルのノベライズを書いていた作家ですが、意外にも(失礼)ノベライズの出来が素晴らしく、かねてからオリジナル作品の登場を期待していたのでした。しかし架空王国ファンタジーモノという最激戦区のジャンルで勝負してきたのはやや想定外。これは作者の自信の現れなのか、角川の深慮遠謀なのか(深読みしすぎ?)。
本作中での護民官という職制は岡っ引きと保安官を足して二で割ったようなもの。主人公のルフィは鬼のヘイズォト(通称『鬼ヘイ』)と呼ばれた名護民官の娘なのだそうで、いきなり力が抜けてきました。大丈夫なのか?でも心配は杞憂に終わりました。もともとストーリーテリングに長けた作家でしたが、本作でもその本領は十分に発揮されています。巧みなミスリード、二転三転する真相としっかりキャラを立てながら見事に読ませてくれます。第一作としてはオッケーかな。OKAMAのイラストも良いので売れて欲しいなあこれ。[2001/05] ⇒次巻
貴船天使と名乗る男から恋子に与えられた第二の課題は「7,500万円入りのアタッシュケースを自宅で二ヶ月間隠し通すこと」だった。しかし待てど暮らせど一向にアタッシュケースは届かない。届いたのは「104」と印刷された一枚のハガキだけだった。そんな時、久しぶりに姉の銀子が彼氏を自宅に連れてくるのだが。
グリーンマイル形式の文庫書き下ろし作品。全六冊。これが第二巻となります。作中で展開されているトップランテストですがわたしも受験してみました。表採点が9410万円、裏採点が8000万円、合計1億7410万円でした。恋子に敗れること2億20万円。この程度では貴船には合格にしてもらえないだろうなあ。
さて、本編なのですが、延々と採点シーンで引っ張りつつ、相も変わらず恋子のミレニアム日記が延々と続きます。まとめてしまうと30ページくらいで全部語れてしまいそうな程内容無いですこの話。どうでもいいことで原稿水増しして誤魔化しているようにしか見えないのですがこれには意味があるのだろうか。期待は弱まりつつ次巻に続きます。[2001/05] ⇒次巻
1998年フランスワールドカップ。初の本大会出場を果たした全日本イレブンだったが結果は三戦全敗。完膚無きまでに敗れ去った彼らは何故勝てなかったのか。協会組織、指導陣、選手たち、マスコミ報道、多角的な観点からその敗因を分析。来るべき2002年のワールドカップ韓国/日本大会へ警鐘を鳴らす。
本作はフランスワールドカップ前後に各新聞雑誌等に掲載された筆者の記事を時系列に配列し直したレポート集。1998年に単行本として刊行されたものを2000年に文庫化したものです。いかにして日本代表はフランスワールドカップに臨み、いかに戦い、いかに負けるべくして負けたのか、熱く語るノンフィクションレポートとなっています。
以前に読んだ『28年目のハーフタイム』や『決戦前夜』は書き下ろし作品でしたが、本作は各誌に書かれた記事をまとめたものなので、かなりの部分で内容が重複しており、いささかめげてきます。日本は駄目だ駄目だ駄目だ……、っていうのを何度も何度も読まされます。
とはいえ、金子達仁の本を読むのもこれが三冊目。即席サッカーファンのわたしとしてはこの人の本しか読んでいないので、客観性に欠けるのは仕方ないとしても影響はかなり受けてしまっています。低い次元で満足してちゃ上にはいけないよっていうのはスポーツの分野だけでなく、どの分野でもいえることではあります。読んでいてなんだか気合いの入る本なのだった。[2001/05]
豪華客船ヒミコ号に乗り込んだお馴染みの阿漕荘の面々。船内で発生したとある男性の失踪事件。他殺、事故、それとも自殺?さまざまな憶測が流れる中、天才画家関根朔太の幻の名画が盗み出される。失踪事件と名画の消失はいったいどのような関連があるのか。男と絵はどこに消え失せたのか。瀬在丸紅子が解き明かす驚愕の真相。
Vシリーズ早くも六作目です。何故「V」シリーズなのか謎だったのですが、どうやら紅子さんのイニシャルがV・Sだから、みたいです(たぶん)。なんでVなの?一度本人サイトをじっくりチェックしてみようかと思ってます。タイトル名もますます持って意味不明。だれか解説してください……。
わたしにとっては森作品はミステリというよりはキャラ萌え小説なので、西之園萌絵嬢が登場しない本シリーズには当初なかなか馴染めなかったのですが続けて読んでいるうちにあら不思議、いつの間にか情が移ってきてしまいました。こうなってくるとこの手のキャラモノは実に楽しく読むことが出来ます。ご都合主義も気になりません!前作『魔剣天翔』は練無クンのお話でしたが、本作は名画泥棒保呂草クンのお話。こういうしんみりする話は弱いのでかつてない高評価です。紫子サンの今後が気になるところ。[2001/05] ⇒次巻
核シェルターに閉じこめられた三人の青年。かつてそこでは一人の女性が事故に遭い、昏睡状態に陥っていた。彼らを監禁したのは彼女の実兄。事件の真実、「誰が彼女を突き落としたのか」を犯人が告白することが解放の条件だった。閉鎖空間の中で徐々に追いつめられていく三人。明かされる秘密。そして……。
浦賀和宏の六作目。初の非安藤シリーズ作品です。安藤シリーズの継続はもちろん今後も期待したいところですが、安藤親子?の出てこない作品も一度読んでみたいと思うのがファンの我が儘なところ。浦賀作品としては画期的な薄さ(163ページ)。最長作品『時の鳥籠』の1/3です。こんなに薄い講談社ノベルスって初めて見たかも。
待望の本作ではあるのですが、主人公の姓が「浦賀」です。作家デビュー当初から現在に至るまでの経緯が本人の視点で語られていきます。うわ、これはイタイ。浦賀と二人の友人北澤と吉野、彼らの間で起こった忌まわしい事件について語りつつ、その一方でストーカー女性がメル友との間で交換殺人の計画を練るエピソードが展開され、二つのストーリー交互に綴られていきます。北澤が「博」であるのはすぐ判るし、吉野の食人行為も理由は察しがついてしまう。なんだか今回の作品はページ数も少ないしこれで終わっちゃうの?なんて物足りなく思っていると最後にはやっぱりいつもの浦賀的カタストロフィが待っています。
ああ成る程。嘘は嘘の中に隠すのが正しい。よくよく読んでみれば1ページ目から伏線貼りまくりです。亜矢子との一夜も吉野の告白も修学旅行の一件もみんなみんな伏線です。途中で気付けよ>自分。そう考えてみると主人公の姓を作者自身と同じにしたのもトラップなのですな。よくあるネタではありますが実に爽快に騙されてしまいました。
非安藤シリーズではありますがキャラクターの心象風景は従来シリーズと全然変わってないので安心しましょうファンの人。いつもながらに壊れてます。やるせないラストもいつも通り。浦賀作品にハッピーエンドは認めません(きっぱり)。[2001/05]

狂える大君主トレボーの支配する城塞都市の地下には巨大な迷宮が広がっていた。そこにはトレボーから魔法の護符を盗み出した大魔導師ワードナが立て籠もっているのだ。トレボーによって招集された冒険者たちは打倒ワードナを目指し地下迷宮へと挑む。仲間を失ったスカルダたち一行もまた新たな決意を胸に戦場へと向かう。
JICC出版(現在の宝島社)から発売されていた今は亡き『ファミコン必勝本』に1988年に連載されていた作品。その後単行本化されたものの絶版。1998年に十年振りにスーパーファンタジー文庫にて復刊されたのが本作。
ファミコン必勝本は当時から異常にウィズをプッシュしてまして、専用コーナー作ったり、小説連載したり(本作ね)、巻末にマンガを連載してみたりとすごい偏りようでした。この作品も全部連載で読んでました。ベニー松山はなんと二十歳でこれ書いてたんですね。今にして思えば驚きです。懐かしいです。ファミコン版ウィザードリーはわたしのゲーム人生中の最高傑作。このRPGのシナリオは実にシンプルで「ワードナから魔除けを取り戻すこと」だけ。パーティ構成も自由だし攻略手順も人それぞれ。誰もが自分だけのシナリオを脳裏に思い描きながら迷宮探索に励んだものです。
ゲームノベライズの先駆とも言える作品。呪文やアイテム、世界観に至るまでこれはウィザードリィやってないと何がなんだか訳がわからないかもしれない。もっともそれだけにウィズファンには嬉しい作品で、ゲームを判ってる人間でないと醸し出せないリアリティが作中からひしひしと感じられて実に楽しいのでした。
でも最後に苦言を一つ。文庫版のイラストは緒方剛志なんだけど、おいおい、ちゃんと読んで描いてるの?ってなくらいキャラクターが違います。ガディの体格は貧弱だし、ジャバは全然ジャバっぽくないし、ベリアルって顎髭生えてなかったっけ?ヴァンパイアロードのしょぼい姿にも幻滅です。編集者の人ちゃんと説明しようよ。[2001/05]
| ついでに…… 『風よ龍に届いているか』上・下@ベニー・松山 <<FC版ウィズIIのノベライズ |
恋子の予想を裏切る形で、姉の恋人として再登場した貴船天使。よろず鑑定師に対して攻勢に出るべく恋子は秘策を練る。姉の銀子をターゲットとした誘拐予告電話。要求された身代金額は3億7529万9500円。しかも支払いはローンOK。怪しげなこの誘拐予告を逆手にとって恋子は巧妙な罠を張り巡らすのだが……
グリーンマイル形式の文庫書き下ろし作品。全六冊。これが第三巻となります。まだ半分しか読んでませんけど、もう投げてもいいですか?もうあまりに退屈なのでページを捲るの作業が苦痛でしかないのですが。全て徒労に終わりそうな予感がしてきた。だいたいなんで恋子のカラオケレパートリーを微に入り、細をうがって懇切丁寧に説明されなきゃならんのよ。こんなことで原稿用紙のマス目を埋めないでください。全巻買っちゃったのでとりあえずこの次も読むけどさ。[2001/05] ⇒次巻
マイクロブラックホールの権威として、太陽系屈指の天才物理学者の名を欲しいままにするマッカンドルー博士。彼はパートナーの女船長ジーニーと共に宇宙を行く。超高速での宇宙旅行を可能にした相殺航法は二人に数々の驚くべき出来事をもたらす。二人の活躍を描く五編のハードSF短編集。
チャールズ・シェフィールドは本職はエンジニアのSF作家。あまり作品は多くないけれども優れたハードSFの書き手として知られています。今年の目標。月に一冊海外エスエフを読もうシリーズ。今月はこれです。ハードSFという言葉を聞くだけで長らく文系人生を歩んできた身としては身も心も引き締まるものがあります。そっち方面に疎いだけに「すごい科学」に憧れる心というのは人一倍文系人間にはあるように思えます。カー・ニューマン・ブラックホール。オールトの雲。放浪惑星。そして相殺航法!相殺航法による100G加速で<ホアチン>号は100億光年を半年で飛ぶことが出来るのです(恍惚)。
本当になんとも魅力的なテーマが惜しげもなく盛り込まれています。一般人としてはどこまでが科学でどこからがサイエンスフィクションの領域なのか良く判らないのが哀しいところではあるけれど、作者本人による巻末付録で懇切丁寧に解説が施されているので安心して読むことが出来ます。[2001/05]
偶然訪れた京都のとある神社で自分とかつてとの恋人の「縁切り」を望む絵馬が奉納されているのを発見したわたし。その願いのままに二人の仲は破局を迎えていた。何故?誰が?不思議な男女の縁を描いた表題作を始めとした十二編の恋愛短編小説集。
本書はウェブ幻冬舎(幻冬舎のweb媒体)に連載されていた作品を文庫化したもの。遂に今をときめくランディ様のご本を拝読する栄に浴したわけでありますが(へりくだりすぎ)、第一編「再会」を読んでそのあまりに陳腐な導入に、ぬ?、ありゃ?むむ?ってな具合に読み手のテンションは見る間に下がっていく。掴みの第一話だからってエロ話もってくんなっての。
会話も心情描写もなんだかとてもぎこちなく感じるのは気のせいだろうか。感性の煌めきを感じさせる一節も無ければ、時代の雰囲気の切り取り方が優れているわけでもない。本領はなんとか賞候補にまでなった長編の方なのだろうか。そっちを読むまではとりあえずこの人の評価はしばし保留。[2001/05]
突如現れた幻獣と呼ばれる謎の存在。彼らは圧倒的な力で地上から人類を駆逐していく。致命的な大損害を受け、追いつめられた体制側は徴兵年齢以下の少年少女たちの招集を決めた。本隊を立て直すための時間稼ぎとして。熊本5121小隊に配属された速見厚志は新米戦車兵として過酷な戦場に赴く。
原作は2000年9月に発売された同名プレイステーション用ソフト [Amazon] 。地道に口コミで売れ続けスマッシュヒットとなった異色の作品。どう考えてもキャラ萌え要素が高いのに、とても売れるとは思っていなかったのか、全くメディアミックスの仕込みが行われておらず、本編の発売から四ヶ月を経てノベライズ版の登場です。グッズを買いたくても買えずにいったその筋の人々の飢餓感を満たすべく満を持して投入。瞬く間に初版は売り切れてしまい、再版分が出るまで入手できませんでした(悔)。
こんな形での登場なので内容に期待するのは酷というべきで、やはりキャラクターグッズの一環として「ファンなら買い」という部類のアイテムだろう。これだけ熱狂的なファンを持ち、なお且つ、非常に奥の深い世界観を有する作品のノベライズを書くという作業はさぞや気の重いであったろうことは想像がつく。限られた紙面の中で原作の必須ギミックを盛り込みつつ、世界の謎にも触れ、それなりに盛り上げて結末に収斂させていく作業はけっこうタイヘンだったと思います。[2001/05]
全ての秘密を明らかにすると告げた貴船天使は恋子たち一同を一人の少年に引き会わせる。しかし「少年狼」と名乗る不思議な少年は一向に秘密を語ろうとしない。業を煮やした恋子たちに対して「少年狼」はあるゲームを提案する。かくしてスタートした「一巻の終わりクイズ」。果たしてトップランクイズの真相は明らかにされるのだろうか。
グリーンマイル方式の文庫書き下ろし作品。全六冊。折り返し点を過ぎてこれで第四巻。これでつまんなかったらもう続きを読むのをやめようかと思ってましたが、なんだやれば出来るじゃん。「一巻の終わりクイズ」をめぐる虚々実々の駆け引きが面白い。三巻まではわざわざストーリーを盛り上げないようにしていたということ?途中で読むの辞めちゃった人が多いと思うのですが。この巻が面白さのピークで無いことを祈ります。[2001/05] ⇒次巻