★★★★が3冊と久々に充実した月になった。
読書ペースもようやく戻ってきたようなので、今年はコンスタントに月10冊は読んでいきたいところだ。
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コメント |
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| 夏のロケット | 川端裕人 | 文藝春秋 | \1,762 |
密かに名作なのではないかと。
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★★★★ |
| 浦賀和宏 | 幻冬舎 | \1,600 |
だんだん普通になってきた。
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★★★ | |
| 岩本隆雄 | 朝日ソノラマ | \600 |
風呂敷広げすぎ。
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★★★ | |
| 野尻抱介 | 富士見書房 | \620 |
密かに名作。
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★★★☆ | |
| ロミオとロミオは永遠に | 恩田陸 | 早川書房 | \1,800 |
バロムクロスは少々マイナーだと思うのだが。
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★★★☆ |
| 菅浩江 | 早川書房 | \1,900 |
これこそまさに美しい……。
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★★★★ | |
| 高畑京一郎 | メディア ワークス |
\550 |
完結はいつになることやら。
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★★★ | |
| 佐藤茂 | 新潮社 | \1,400 |
異世界ファンタジー。今月一番かも。
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★★★★ | |
| リアル鬼ごっこ | 山田悠介 | 文芸社 | \1,000 |
全部読んだ自分を褒めてやりたい。
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☆ |
| 新井素子 | 角川書店 | \1,600 |
気持ち悪い(褒めている)。
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★★★☆ | |
| 久里徳泰 | 山海堂 | \1,600 |
少し古めだけど役に立つ。
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★★★ | |
| 近藤史恵 | 光文社 | \800 |
このキャラたちは好きになれない。
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★★★ | |
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夏のロケット [川端裕人] ★★★★ 文藝春秋 (\1,762)高校時代を天文部で過ごし、仲間たちと共に手作りロケットの打ち上げに没頭した過去を持つ高野。しかし別々の大学に進み、そして就職という時の流れを経ていくうちに、次第にかつての情熱は失われていく。慌しくも平凡な日々を送る高野だったが、高校時代の旧友たちが本当にロケットを打ち上げようとしていることを知り衝撃を受ける。だが、その打ち上げ計画には、高野には知らされない暗部が隠されていた。 第15回のサントリーミステリー大賞の優秀作品賞受賞作。ちなみに大賞は結城五郎の『心室細動』。この賞って確か大賞取るとドラマ化されるから、一般層的には知名度あるのかもしれんけど、ミステリモノ的にはイマイチ魅力に乏しい賞のような気がする。この賞出身で大化けした作家もいないし。 って、悪口はさておき、本作はロケットモノである。そんなジャンルあるのかと言われそうだがある(断言)。宇宙事業といえば、日本では宇宙開発事業団か、宇宙科学研究所の独壇場で、企業やまして一個人がどうこうできる状況ではない。それに対して一石を投じたのが本作。巨額の資金と技術力が必要とされてきたロケット開発を、僅か5人でなんとかしてしまおう発想がイカしてる。ローコスト、少人数、既存の技術の使いまわしでロケット打ち上げの準備が着々と進められていくのは爽快だ。 理論の日高、職人の清水、プロデュースの北見、スポンサーの氷川、そしてスポークスマンとしての高野。5人の天文部の面々は個性豊かに描き出されている。高校を卒業して十数年が経ち、ロケットに賭ける思いも決して純粋なものだけではない。それぞれが理想と打算の狭間で打ち上げに執念を燃やしていく過程がなんとも感動的。 ロケット技術が時としてはミサイル技術と同義であることが折に触れて語られており、物語の中に暗い蔭を落とす。高野のロシア行きのエピソードはやや唐突で強引に思えないでもなかったが、この技術の持つ負の側面を描き出すにはやはり欠かせないところだったのだろうか。物語は一抹のほろ苦さを残して幕が引かれる。本作を単純なハッピーエンドで終わらせなかったところに作者の強いこだわりを感じる。軍事技術と紙一重である宇宙開発の危うさは、人類が自戒としてこれからも認識し続けなくてはならないことなのだろう。[2003/01] ファントムの夜明け [浦賀和宏] ★★★ 幻冬舎 (\1,600)久々にかつての恋人、健吾の部屋を訪れた真美はそこで微かな違和感を覚える。この部屋は真美にとっては辛い記憶だけが残る場所だった。しかし健吾は部屋におらず、その後消息が不明であることが知らされる。奇妙な違和感はその後も続き、真美はそれが自らの持つ過去認知能力によるものだということに気づく。身の回りにあふれる死の記憶に怯える真美。健吾はまだ生きているのだろうか。 2002年作品。書き下ろし。幻冬舎からは3冊目。サイコメトラー真美ちゃんシリーズの第1作目(っていうか続きそうな気がする)。『クロスファイア』の主人公がダメダメになったような感じ?もっとしゃきっとしてくれ。肩つかんでガシガシ揺さぶりたくなるような流され型のヒロインがいただけない。 あそこまで怪しい気配に満ち満ちているのに、健吾の部屋に無理やり入ろうとしない段階で、既にネタが割れているように思えるのだが、考えすぎ?本筋の健吾の件と、後半で出てくるシリアルキラーとの対決のバランスが悪いのもいかがなものかと。能力を活かしての悪人退治は次作以降でやって欲しかった。浦賀和宏、量こなせるのはいいんだけど、その分近頃では作風がライトに寄ってきてしまっているのが、安藤シリーズのファンとしては寂しい。[2003/01] 鵺姫異聞 [岩本隆雄] ★★★ 朝日ソノラマ ソノラマ文庫 (\600)滅び行く地球生態系を守るための一大プロジェクト『進化計画』の拠点、巨大人工島のパトロール隊員として勤務する田中隆は、警備中に怪しげな老人に出会う。老人の残した奇妙な珠に触れた隆は謎の光に包まれ、戦国時代の日本へとタイムスリップしてしまう。そこで隆は更に深刻な宇宙そのものの危機について知らされる。宇宙を救う鍵は、鵺姫にまつわる伝承にあるようなのだが……。 岩本隆雄6作目。『星虫』の系譜に連なる作品で、『鵺姫真話』と表裏をなす一編。『星虫』で氷室友美のクラスメイトとして登場した田中隆が今回の主人公。とか書きながらも、全然記憶にねえ〜>こいつ。該当部分だけ読み返してみたけど、少ししか出番が無かったので納得。覚えていないのも無理はない。 話広げすぎ。これに尽きるのではないかと。地球環境の変動で人類の存亡がって話はまだわかるけど、突然なんだかわけわからん生命体が出てきて、宇宙の危機がどうこう言われても萎えるだけだってば。こういうオールマイティな存在を持ち出すのは反則。隆とさなのロマンスが弱いのも残念。二人の心情描写をもっとしっかり書き込んでいれば、ラストの隆の選択はさぞや感動的なものになっただろうに。[2003/01] ロケットガール [野尻抱介] ★★★☆ 富士見書房 富士見ファンタジア文庫 (\620)女子高生森田ゆかりは、父の消息を求めて訪れたアクシオ島で、妙な成り行きから宇宙開発組織「ソロモン宇宙協会」に勤務する羽目に陥ってしまう。単なるアルバイトと高をくくっていたゆかりだったが、協会幹部は彼女を人類初の女子高生宇宙飛行士にすべく暗躍を始めていた。過酷な訓練、次から次へと訪れるハプニング。ゆかりは果たして宇宙へと旅立てるのか。 ドラゴンマガジンの1994年4月号から11月号にかけて連載された作品を文庫化したもの。イラストは山内則康。時代が時代だから仕方ないんだが、セラムンの某キャラを髣髴とさせるキャラクターに、セクシーポーズさせるのはやめてくれぇ。富士見の読者層を考えれば狙うべきポイントなんだろうけど。 しかし萌え絵なイラストに騙されてはいけないのがこの作品。宇宙開発事業団でもなく、宇宙科学研究所でもない第三の機関が、安価な技術とプラスアルファのひらめきで国産ロケットを宇宙にまで届かせようという熱い物語が本作には秘められているのだ。全編通してハチャメチャな行け行けドンドン的な軽いノリなのだが、その根底には何が何でも宇宙に行くという強い思いがシンプルに貫かれていて、ふと気がつくと感動している瞬間があって自分でも驚いた。シリーズ作品がまだ二作あるので是非読んでみようと思っている。[2003/01] ⇒次巻 ロミオとロミオは永遠に [恩田陸] ★★★☆ 早川書房 (\1,800) [Amazon] |
| ついでに…… 「リアル鬼ごっこ」リンク!
Yahoo!Books/amazon/esBooks/本の森 <<被害者の声 |
あきらの人生は黄金の時を迎えていた。最高の伴侶を得、作家としても信じられないほど幸運なスタートを切ることができた。しかし夢見心地のあきらの前に姿無き脅迫者が!「いい気になるなよ」と記された匿名の投書。そして繰り返されるイタズラ電話。警察に相談してもとりあってもらえず、彼女の精神は追いつめられ次第に平衡を失っていく。
書き下ろし作品で、新井素子としては31冊目の作品。前作『チグリスとユーフラテス』以来3年ぶりの新作となる。壮大なSF作品から一転して今回はサイコホラーへ。『おしまいの日』にテイストとしては近いかな。こういった女性心理を扱った気持ち悪い話(褒めてる)はこの作家得意だ。
狙ってやってるんだろうけど、独特の新井素子文体が徐々に壊れていく主人公の狂気を助長しているかのようで気持ち悪さが倍増。読んでいて非常に精神的に疲れた。強依存体質にこの文体はよく馴染む。脅迫者を逆恨みして復讐に転じたあきらが、いつしか執筆行為の中に自我を埋没させていく辺りが非常に怖い。惜しむらくは脅迫者が救済されて終わってしまったこと。こんな奴に救いなんて無くて良かったのに。[2003/01]
自転車で旅に出よう。進化した自転車MTB(マウンテンバイク)の出現は従来の自転車旅行の概念を塗り替えた。過酷な条件のダートコースから、超長距離の高速走行まで、幅広く対応できるMTBでのツーリングノウハウを紹介。自転車の選び方から、パーツ、グッズの解説、海外まで視野に入れたツーリングプランの作成方法について概説。
著者は自転車旅行のスペシャリストで北南米大陸縦断、チベット高原走破など数多くのツーリング実績を持つ。1997年の発行なのでパーツやグッズの選定で、現在から見ると疑問符を投げかけたくなる点がいくつかあるのはまあ仕方の無いところか。これだけ高性能速乾シャツが出回ってきている昨今だと、さすがに夏場でももう綿シャツは着ないんじゃないかなあ。
視点が海外寄りに過ぎるのが残念。海外まで行って自転車で走ろうという人種は、今考えても希少種な筈なので、どちらかというと国内でのツーリングに重きを置いて説明して欲しかった。そりゃ、治安が良くてどこに行ってもコンビニがある日本では、それほど深く考えなくてもいいのかもしれないけどね。それでも各種の自転車搬送方法は興味深く読んだ。北海道や九州みたいな遠距離に出かけるときには役に立つ知識かもしれない。[2003/01]
| ついでに…… 『MTBカスタムメイキング』@吉村洋三 <<まず車体のメンテから |
瞳子が死んだ。自殺だったのだという。学生時代のアイドルの死に動揺するかつての仲間たち。法子という恋人がいながらも、密かに瞳子に想いを寄せていた弦の元には「私のことを殺さないで」と記されたハガキが届く。彼女は殺されたのか、それともこれは遺言なのか。事件の真相を探る弦に意外な真相がもたらされる。
季刊「ジャーロ」(光文社刊)の2001年秋号〜2002年夏号に連載された作品。カッパノベルズにしてはライトノベルテイストな装丁に驚きを感じる。講談社ノベルズの影響なのだろうか。
真の主人公とも言えるヒロインは既に死亡していて、彼女を取り巻く旧友たちの視点からその在りし日の人間像を描写していく。本人を直接描かないことで、逆にその個性が浮き彫りにされていくというタイプの作品。評価がイマイチなのはこの浮世離れ&モラトリアム謳歌型のヒロイン&その周辺の連中がどうしても好きになれなかったから。近藤作品はやはり肌に合わないのだろうか。[2003/01]