期せずして今月もライトノベル強化月間に……。
『イリヤの空 UFOの夏』の最終巻が待ちきれず『EGコンバット』を読み始めてしまうも、
完結してないのはこれも変わりないので更にストレスが!
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コメント |
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| 復活、へび女 | 池上永一 | 実業之日本社 | \1,600 |
「失踪する夜」が特にオススメ。
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★★★☆ |
| 野尻抱介 | 朝日ソノラマ | \495 |
19世紀的倫理観がいい感じ。
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★★★☆ | |
| マリア様がみてる 涼風さつさつ |
今野緒雪 | 集英社 | \476 |
男装の祐巳ちゃんもイイ。
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★★★☆ |
| 藤崎慎吾 | 朝日ソノラマ | \1,900 |
発売当時に読んでいれば……。
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★★★ | |
| 沢村凛 | 新潮社 | \1,500 |
この主人公なんとかしないと。
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★★☆ | |
| 石崎幸二 | 講談社 | \740 |
石崎クンは首にならないのか?
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★★★ | |
| 上遠野浩平 | 富士見書房 | \540 |
上遠野作品にしてはおとなし目。
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★★★ | |
| バトル・ロワイアルII 鎮魂歌(レクイエム) |
杉江松恋 | 太田出版 | \1,200 |
あーやっちゃったって感じ。
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★★★ |
| ダブ(エ)ストン街道 | 浅暮三文 | 新潮社 | \1,700 |
疾走する徒労感。
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★★★☆ |
| 秋山瑞人 | メディア ワークス |
\570 |
秋山瑞人の処女作。
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★★★☆ | |
| 秋山瑞人 | メディア ワークス |
\610 |
GARPに泣くべきではないかと。
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★★★☆ | |
| 秋山瑞人 | メディア ワークス |
\610 |
カデナに泣くべきではないかと。
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★★★☆ | |
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復活、へび女 [池上永一] ★★★☆ 実業之日本社 (\1,600)毎晩そっと隣に添い寝し、目覚めると消えている謎の女を巡る騒動の顛末を描いた表題作。妻に去られた男に毎朝届けられる奇妙な新聞。新聞配達の女との交流を描く「宗教新聞」。自らの前世を追い求めた少女が最後に知った真実とは「前世迷宮」。神隠しの噂が絶えない旧い歓楽街。ビッチンヤマ御嶽にまつわる秘密を描く「失踪する夜」他、八編を収録。 1999年刊行。「Seven Seas」「週刊小説」に95年〜99年にかけて発表された作品群をまとめた作品集。池上永一初の短編集となる。2002年に角川書店より『あたしのマブイ見ませんでしたか』と改題されて文庫化されている。 前半四編が沖縄モノ。後半の四編は非沖縄モノと最初と最後ではかなり趣向が変わっている。帯のコピー曰く、「8つの都市伝説」とあるのだが、神隠し・前世・幻視と不可思議なテーマを扱ってはいるものの、池上永一風な味付けが濃厚で、いわゆる巷間に云うところの都市伝説とは違うのではないだろうか。かなりピントの外れた惹句に思えた。 光あれば陰ありってことなのか、とにかく底抜けに明るい物語だった『バガージマヌパナス』に比べると、ダークな色合いの強い作品集。南国の気怠い闇の中に潜む邪悪さ、なんてノリが大好きな自分としては大いに楽しめた。沖縄独特の御嶽信仰はこちらの人間には理解の及ばぬ世界だけに「失踪する夜」は特に味わい深く読むことができた。沖縄行きてえ〜。池上永一の現代作品?が読めたのも収穫。[2003/07] ピニェルの振り子 銀河博物誌1
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| ついでに…… 『永遠の森 博物館惑星』@菅浩江 <<別タイプの銀河博物誌。 |
新学期を迎えたリリアン女学園。秋の学園祭が間近となり、花寺学院生徒会との顔合わせが遂に決行される。あまりに個性的な顔ぶれに衝撃を受ける祥子。山百合会のメンバーにとって慌ただしい日々が続く。そんな最中、祐巳に急接近する一年生可南子が登場。にわかに新姉妹成立の噂が学園中を駆けめぐる。果たして真相は!?
マリみて十二作目。表紙は紅薔薇姉妹。あれ、また絵のタッチが戻ってる。何でだろう。さすがにそろそろ話が出ないと不味いだろうってことで新姉妹カップリングネタが登場。可南子ってイラスト無しなのね。ひどい。あんまりだ。この段階で噛ませ犬キャラ確定
。本命はやっぱり瞳子なんだろうか(嫌だな)。黄薔薇に比べればまだ紅薔薇の方が妹は出来やすい気がするけど。
ここんとこ成長の著しい祐巳。このまま行けば三年生になっても立派に紅薔薇さまとして振る舞えそう。平凡で取り柄の無いおっちょこちょいが実は最強という、集団少女モノの基本路線を忠実にトレースしている模様。次はリリアン側の学園祭かな。そろそろ妹の本命が出てくるのではないだろうか。[2003/07] ⇒次巻
2071年。火星にまで進出した人類はその極冠部に謎の生命体の死骸を大量に発見する。それは高度な知性を持つ異星人の存在を示唆するものだった。縄文時代を専門とする生命考古学者のサヤは、その能力を高く評価され火星へと赴く。しかしそこは列強各国と世界的巨大企業の思惑が渦巻く紛争の地だった。
1999年作品。早川書房のベストSF1999では『グッドラック 戦闘妖精・雪風』を抑えて国内部門第1位に輝いている。作者は1962年生まれ。1995年に同人誌『宇宙塵』に発表した中編「レフト・アローン」が翌年の日本SFファンジン大賞を受賞。本作はこの「レフト・アローン」の世界観を受け継いでいるらしい。
火星で謎の生命体の死骸が大量発掘される。それは高度な知性を持つ異星人がなんらかの目的のために使役していた生物らしい。果たしてのその目的は。異星人はどこに行ったのか。冒頭に魅力的な謎が提示され主人公がそれに挑むというスタイルは、ホーガンの『星を継ぐもの』を彷彿とさせる部分があり非常にワクワクさせられる。
だが本作では火星文明の謎解きよりも、真の主人公であるネットワーク生命体「KT」を創出することの方に重きを置いているようで、ミステリ部分の充実を期待していると肩すかしを食わされる。発表当時の1999年に読んでいればまた違った印象を持つとは思うのだが、2003年の今となっては本作のネットワーク世界の描写にも古さを感じてしまうのがこのジャンルの怖ろしいところだろう。[2003/07]
長年の念願が適い、瞳子は遂に秘境イシャナイ島に足を踏み入れる。Z国の学術調査団になんとか同行することが出来た瞳子は、幻の生物ダンボハナアルキを探すべく行動を開始する。しかしイシャナイでは反政府ゲリラが暗躍。政府軍と激しい抗争を繰り広げていた。ゲリラに囚われたしまった瞳子はヤンと名乗る不思議な青年に出会う。
第10回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作。ちなみにこの年の大賞は『オルガニスト』@山之口洋で、もう一作の優秀賞は『青猫の街』@涼元悠一。沢村凛はこの賞の常連で本作以外でも、『リフレイン』が第3回の最終候補作に、『世界の果てに生まれて』が第6回の最終候補作(未刊行)、『五人家族』が第9回の最終候補作(未刊行)となっている。
鼻行類に属する正体不明の生物ダンボハナアルキ。この発想がまず何よりも素晴らしい。この生き物は類名の通り鼻を使って移動する。南の島を闊歩するダンボハナアルキ。馬鹿馬鹿しくもファンタスティックな情景だ。どうせならこの生物探しを主体にして話を進めていけば良かったと思うのだが、どうやら作者にはその意図は無かったようだ。
植民地時代を経てようやく独立を勝ち得たものの、宗主国の搾取と、内乱による政情不安定から、貧しい生活を余儀なくされるイシャナイの人々。彼らは独立すべきだったのか、それとも島が発見されなければ、内乱さえ起きなければ……。様々なありえたはずの未来を並行して語りながら物語は進行していく。この辺りで作者の政治思想が濃厚に漂ってきてうんざり。主人公の瞳子が信じられないくらい自己中心的なスカポンタン女であることも相まって読み進める気力が一気に萎えてくる。せっかくのダンボハナアルキが刺身のツマ程度にしかなっておらずもの凄くもったいない。[2003/07]
「わたしは呪われている」と言い残し故郷の島へと帰っていった岐城美希。その呪いは彼女の姉を殺し。そして幼い双子の妹たちにも降りかかろうとしていた。呪詛の存在を確かめるため、石崎はミリアとユリを伴い、南海の孤島、岐城島を訪れる。だが、その島に住んでいるのは美希の家族と使用人たちだけ。彼女をつけ狙うのはいったい誰なのか。
ミリア&ユリシリーズ(間違っても石崎シリーズとは呼ばないだろう)の第三弾。あれ、また孤島モノなんだ。どうして一介のサラリーマンと女子高生がホイホイ九州の離島にまで出かけられるのかは突っ込むだけ無粋なので放っておくにしても、いい加減この3人の会話が寒すぎて読み続けるのがシンドイ。本筋で頑張っても、この脱力トークで全て帳消しになってしまっている。そろそろ別のシリーズを読んでみたいぞ。[2003/07] ⇒次巻

「この世にあるのは"ごまかし"だけ」しずるさんはそう断言する。長い間の入院生活で外に出ることも出来ない彼女は、年齢の割に大人びた雰囲気を身にまとう少女だった。そんな彼女が不思議と関心を寄せるのが猟奇的な犯罪事件の数々。妖怪、宇宙人、幽霊犬、釣られた死体、数多の謎めいた事件を瞬時に解き明かしていくしずるさんの活躍を描く短編集。
富士見書房の「ドラゴンマガジン」に2001年10月〜2003年5月にかけて掲載された短編4作に、書き下ろしの掌編「はりねずみチクタの冒険」を追加して文庫化したもの。寝たきり美少女のしずるさんと、ワトソン役のよーちゃん(この子も美少女)が不可思議な事件を快刀乱麻バッサバッサと解決していくシリーズの第一弾。
驚く程フツウのお話。上遠野作品らしいエッジのガリガリしたところがすっかり陰を潜めており、言われなければこの作家の作品だとは思わなかったかもしれない。あえて、新たな作風の開拓にチャレンジしてみたのだろうか。更なる広がりが今後あるのかどうか、いちおう期待。
表紙を見たときは、よーちゃんは美少年な男の子だと思っていたので、読んでみて微妙に違和感。♀×♀だとイマイチ萌え度が足りないんだけど、こんなこと考えちゃダメ?[2003/07] ⇒次巻
あの戦いから2年。テロリストとして手配された七原秋也は仲間たちとともに反BR法組織<ワイルド・セブン>を結成。廃墟の無人島、戦艦島に立てこもる。政府に対して徹底抗戦を宣言する秋也たちに対し、島へ送り込まれたのは町立鹿之砦中学3年B組の42名。急遽改正されたBR法に基づきコドモVSコドモの熾烈かつ凄惨な戦いが始まろうとしていた。
作者の杉江松恋なる人物はもともとミステリを中心として活躍している書評家。かの名作『バトル・ロワイアル』の続編なのかと、書店でみかけた瞬間感動してしまったものだが、騙されてはいけない。小説版の続編ではなく、本書はあくまでも映画『バトル・ロワイアルII』のノベライズ。したがって秋也のクラスの担任は坂持金発でなくキタノ。その流れで、本作ではキタノの娘なんてキャラも登場する。
いくつかの例外はあるものの、ノベライズのクオリティはオリジナルの出来に正比例し、なおかつそれを上回らない。まあ、映画見ていないのでこういう書き方をするのが卑怯であることは百も承知ながら、これなら映画もたいしたこと無いだろうと判断せざるを得ないような内容だった。だいたいサブタイトル「鎮魂歌(レクイエム)」って『不夜城』かよ。映画のスタッフ頼むからもう少し本読んでくれ。
突っ込みたいところは多々あるのだが、とにかくキャラクターの個性の弱さが致命的。オリジナルの『バトル・ロワイアル』でも主人公カップル(秋也&典子)のキャラは確かに弱かったのではあるが、本作の青井拓馬&浅倉なおの求心力はそれを余裕で下回る。それでも桐山和雄や三村信史、川田章吾、相馬光子、千草貴子級のキャラが一人でもいれば、それなりに形にはなったのではないかと思うのだが、せいぜい目立ったのはキタノシオリと桜井サキくらい。
400頁を超える長編で、膨大な登場人物、オリジナルのキャラクターも出さなきゃならんしというところで、大ヒット作の続編(のように見える)を書かなくてはならないというプレッシャーの中、この作者はかなり頑張ったのではないかと。リーダビリティも良いしね。しかし肝心の高見広春はいったいどこに?このまま一発屋として消えていくのだろうか。[2003/07]
夢遊病により失踪した恋人タニヤを追って、遙かなる幻の島ダブ(エ)ストンへとたどり着いたケン。そこは一年中深い霧に閉ざされた不思議な国で、誰もが道に迷いあてどなく彷徨い続けていた。偶然出会った郵便配達夫アップルに同行することになったケンは、恋人の手がかりを求めて、最大の街ドサイへと向かう。
本人のサイトを見てみても、第8回のメフィスト賞受賞作品という経歴は普通に書いてあるのだが、その前に第8回の日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作であったことはあまり書かれていない。講談社に気を遣ってるのかな。この時のファンタジーノベル大賞は大賞が該当無しで、優勝賞は『アイランド』@葉月堅、『青猫屋』@城戸光子の二作。
何故かファンタジーノベル大賞は「島」モノが多い。『なんか島開拓誌』@原岳人、『バガージマヌパナス』@池上永一、『アイランド』@葉月堅、『ベイスボイル・ブック』@井村恭一、 『ヤンのいた島』@沢村凛、そして本作とざっと数えてみるだけでも6作もある。大陸という名の現実世界から離れた、地続きでないという安心感?から、ファンタジックな世界観を作りやすくするのだろうか。あれ、これメフィスト賞受賞作品なんだっけか(笑)。
島中の人間が道に迷い続けるというとぼけた設定の本作。人語を解するモンスターや、暢気な王様とその主従、迷惑きわまりない勘違い野郎の白雪仮面と、全編に漂うトホホ感が秀逸。だいたい地名としてのダブ(エ)ストンですら、ダブエストンだったり、ダブストンだったり、はたまたダベットンだったりと全然統一されてなくて、この辺の適当さ加減も素晴らしい。異色作揃いのメフィスト賞にあっても、これだけミステリ色が薄い作品も珍しい。[2003/07]
西暦2067年。救世軍きってのエリートにしてアイドル。北米総司令部最年少大尉、ルノア・キササゲは最前線の地球から、急遽月へと配置転換される。犬猿の仲であるラセレーナ大尉の画策により、現場を外され、訓練校オルドリンの教官へと追いやられたのだ。しかし彼女を待ち受けていたのは、訓練校きっての劣等生アマルス隊の面々。ルノアの常識を超えた猛特訓がオルドリンに大旋風を巻き起こす。
1998年作品。もう5年も前の作品になるわけだが、これが秋山瑞人の処女作。原作/イラスト☆よしみるとなっているが、コミックやアニメーションのオリジナル版があるわけではない様子。原作というよりは原案みたいなものなのだろうか。☆よしみるによる特濃の美少女キャライラストが一般人を激しく遠ざけるわけだが、なんの受賞歴も無いズブの新人を売り出さなきゃならないわけで、当時としては仕方の無いところか。これ外したら次は無かったかもしれないしね。
表紙絵のギャル路線に追従するように、登場人物は全て女の子。天然系から眼鏡っ子、不良娘までポイントは手堅く押さえてある。しかしながら、うって変わってこの世界の設定はハードだ。「プラネリアム」と呼ばれる謎の敵性生物により存亡の危機に立たされた人類。その人口は激減し現在では僅かに5億を数えるのみ。「プラネリアム」の女ばかりを狙って殺戮する特性から、全ての女性が月へと強制移住させられ、残った男たちは地球上でぎりぎりの攻防を繰り広げている。なんとなく『ガンパレードマーチ』っぽい世界観だ。
エリート主人公がオチこぼれだらけのグループを率いて立て直すという、いわゆる「ダメチーム再生譚」。中盤までは紹介も兼ねて教え子五人組のダメっぷりをひたすらアピール。処女作ながら独特の改行の間を持つ秋山節は既に健在で、的確にツボを突いてくる泣かせ、随所に挿入されるエスエフ的蘊蓄のバランスも良く、この時点でライトノベル書きとしては頭一つ抜けている感がある。ラストのカタルシスシーンも綺麗に決まり一作目としては十分及第点。とっとと次を読んでしまおう。[2003/07] ⇒次巻
緊急出撃訓練の大成功から俄に注目を浴びることになったアマルス隊改めルノア隊。彼女とメンバーとの間には着実に信頼関係が育ちつつあった。しかし難関の哨戒任務同行演習を前にしてルノアは突然隊の指揮権を放棄してしまう。よりによってライバルチームカデナ隊の教官となってしまったのだ。その背景にはまたしてもラセレーナの暗躍があるようなのだが……。
1998年作品。僅か半年で二作目。しかもこの間には『鉄コミュニケイション』の1巻が挟まっているのでなんと半年で三冊も書いている!今では考えられないペースだ。シリーズ二作目の本巻では、最初の難関をクリアしたルノア隊に訪れる新たなる試練、哨戒任務同行演習の顛末を描く。段々ハードな話になってきたぞ。
ほんわかドタバタお笑いモードが突如として容赦ないシリアスモードへ切り替わるのはこの作者ならではの非情さ。作品世界の状況設定が既に相当ハードなので、登場人物たちに悲惨な運命が訪れるであろうということは、予想しておいてしかるべきところではあるが、相変わらずやることが鬼畜だ。今回はとにかく全編ひたすら、ただ一身に流体脊髄素子「GARP」のための巻。人口生命体の見せる無私の忠誠が心に沁みた。この頃から既にこれは秋山節の王道パターンだったんだな。[2003/07] ⇒次巻
ルノアを庇った罰として懲罰独房入りを命じられたカデナ。不当な判決、意図的な情報遮断、およそ実戦的とは言えない指導要綱、救世軍のあり方に疑問を感じ始めたルノアの元へ、宿敵ラセレーナから助けを求める暗号文書が届けられる。地球では今何が起きているのか。真実を確かめるべく、ルノア隊の一行は軍紀を犯し脱走を図る。
1999年作品。全作からおよそ7ヶ月で三作目。今回も2巻と3巻の間には『鉄コミュニケイション』の2巻が刊行されているので、実質3ヶ月で1作か。最近でもこのくらいのペースで書いてくれればいいのだけど。イラスト担当の☆よしみるはこの時期3DCGに夢中だったようで、口絵の半分が3D。3Dイラストじゃ萌えらんねえんだよ(ハァハァ)。しかもルノアだけだし。この点は激しく残念。反省しろ>☆よしみる。
今回の犠牲者はカデナ。秋山作品で、巻の冒頭部分で思わせぶりな使われ方をしたら注意信号だ。前回のGARPといい、かなりの確率で終盤、悲惨な目に遭うことになる。それでも安易な事故犠牲に走らなかったのは高評価。カデナのルノア好き好きぶりは1巻から丁寧に書き込まれているだけに、終盤の暗転部分では無理なく感情移入することが出来た。
本巻ではようやく物語の謎に迫り始める。いかにルノアがエリートであるとは言え、おまけを何人も引き連れて、こうも簡単に脱走が成功してしまうのは何らかの意志が背後に秘められているのではないかと思いたい。こんなところで中断したまま、実はこのシリーズ既に4年間も続きが出ていない。『EG Final』は何時出るんだ〜!『イリヤ』が終わったんだからもうこっちに全力投球してくれよう。[2003/07]