今月は半分近くを旅行先で読了。旅先で買って旅先で読み切るのがスタイルとして好きだ。
もっとも京極堂の新刊は徒に荷重を増やしただけだったけど(笑)。読み終えるまで二週間もかかったぞ。
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コメント |
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| 九十九十九 | 舞城王太郎 | 講談社 | \1,500 |
エロエロだ。
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★★★☆ |
| 梨木香歩 | 新潮社 | \590 |
出来はいいが、好悪が分かれそうな作品。
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★★★ | |
| 秋山瑞人 | メディア ワークス |
\570 |
メロメロ感想だ。心して読め(笑)。
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★★★★ | |
| 梶尾真治 | 朝日ソノラマ | \600 |
時間メロドラマ。
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★★★☆ | |
| 栗本薫 | 早川書房 | \540 |
アモン喋り過ぎ。
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★★☆ | |
| ランブルフィッシュ 6 亡霊殲滅編 上 |
三雲岳斗 | 角川書店 | \495 |
レイステルちゃんがイイ。
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★★★ |
| 鈴木淳史 | 洋泉社 | \720 |
この語り口なんとかしろ。
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★★★ | |
| 恩田陸 | 中央公論新社 | \476 |
着地がきれいに決まる。
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★★★☆ | |
| 福井晴敏 | 講談社 | \1,500 |
夏生由梨タンが萌えどころ。
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★★★☆ | |
| 陰摩羅鬼の瑕 | 京極夏彦 | 講談社 | \1,500 |
リサイクルって大事。
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★★★☆ |
| 袋綴じ事件 | 石崎幸二 | 講談社 | \700 |
袋綴じ関係ないじゃん。
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★★★ |
| 火星年代記 | レイ ・ブラッドベリ |
早川書房 | \380 |
「ロケットの夏」からして既に素晴らし過ぎ。
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★★★★ |
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九十九十九 [舞城王太郎] ★★★☆ 講談社 講談社ノベルズ (\1,500) [Amazon] |
| ついでに…… 『ライオンハート』@恩田陸 <<時間メロドラマ恩田陸版。 |

パロの王都クリスタルへ突入をはたしたケイロニア軍は、豹頭王グインの指揮のもと、王宮への快進撃をつづけていた。さままな魔道をしりぞけ、ついにクリスタル・パレスにたどりついたグインのまえに、かわりはてたレムス王があらわれる。魔王子アモンとの訣別を宣言するレムスは、プライドを捨ててグインに助力を乞うのだが……。
グインサーガ91巻。語れば語るほどキャラクターがバカに見えてくるのが、この作家の特徴なのだが、いちおうそれなりの重みと威圧感とを持って登場した中ボスキャラアモンが、ペラペラペラペラよく喋ること喋ること。どんどん安いキャラに成り下がっていってるんだけど、これでいいのか?だいたいなんで、パロを異種生命体であるこんな奴に預けたのか、ヤンダルの考えもわけわからん。もうどうやってもレムスをパロ中興の祖に持ち上げ治すのは無理だと思うんだけど、力業でなんとかしちゃうのかな。[2003/08] ⇒次巻

前哨戦では、フェニックス闘専の留学生に手ひどくやられてしまった恵里谷の面々。新装備カドゥケウスを手にしたガンヒルダだったが、あまりの高出力に機体が耐えきれず暴発。瞳子たちの苦闘の日々が続く。再戦に向けて盛り上がるD班だったが、その一方では、毎夜霧と共に現れる謎のRFが次々と他班の実習機を破壊し続けていた。
シリーズ6作目は上下巻構成に。すぐにレイステル小隊とのSR戦に進むのかと思いきや、1エピソード間に挟んできた。わりと手堅いな。さすがは人気シリーズ。その分外人新キャラ四人組の内面を掘り下げられるからいいは思うけど。なにせ冒頭の登場人物紹介だけで24人も登場(実際はもっと居る)。こんなにキャラクターが多いのに適度に見せ場を与えながら、うまく話を回しているわけで、これはなかなか巧い。下巻は翌月発売。どうせなら同時に出して欲しかった……。[2003/08] ⇒次巻

最早身近な存在となった電子掲示板システム。パソコン通信時代から、現在に至るまでの成り立ちを俯瞰。個人レベルの小規模なものから、ポータルサイト系、2ちゃんねる級の巨大掲示板まで、それぞれの特徴を解説。とかく新しいメディアと思われがちな電子掲示板が、実は日本人古来の感覚に根ざしたコミュニケーションシステムであることを説く。
筆者は1970年生まれの売文業(って書いてある)。著作にはクラシック音楽に関しての辛口評論が多い模様。まるで違う分野のインターネット文化論を、何故ぶちあげようと思ったのかは謎。
この手の本にありがちなのが、ターゲットの絞り込みが不明確なこと。ネット初心者向けに書いているのか、ある程度詳しい人間向けに書いているのかがどうも判然としない。意図して書いていると思われる砕けた文体も、単純に読んでいて腹が立つのでもうやめよう。マイナスにしかなってないぞ。普通に書けよ普通に。
ほぼ同世代なのでニフティのパソコン通信時代や、草の根BBS(もう死語だなこれ)についての記載は懐かしく追体験。もう15年以上前の話になるのか……。2ちゃんねるが作り出したかに見える、「名無しの文化」が、遙か以前の落首、連句の発展進化であると見なす考え方は面白い。海外にはこれほどまでに匿名を当たり前とする掲示板文化はないらしいからね。[2003/08]

あまりに唐突に訪れた香澄の事故死。毬子の入院。それでも夏の日々は続いていく。真魚子は芳野に乞われ、主の居ない館で残された時間を過ごすことになる。真実を隠したまま逝った香澄。彼女の母親の死にはどんな秘密があったのか。互いの心中を探り合う四人。芳野が解き明かす真相は、彼らの夏を終わらせる。
書き下ろしミステリー三部作の最終巻。1巻が2002年12月。2巻が2003年の4月。そして本巻は2003年8月と四ヶ月おきの刊行。きっちりスケジュール通りに発売されたのはめでたい。ちゃんと完結してるし。『上と外』みたいに延びた挙げ句に、巻数が増えちゃったりしたらどうしようかと思ってた。
1巻:毬子視点⇒2巻:芳野視点と続いて、ラストではなんと真魚子視点。部外者の引いた視点で見つめ直すことで物語が確定されるこのパターンは『三月は深き紅の淵を』の第三章や、『球形の季節』のみのりの存在に通じるものがある。当局者に関与出来ない第三者=物語に関与出来ない読者の立場なのかも、と邪推してみたりして。
ミステリとしての謎解き編は極めてオーソドックスな解決。方法はともかく、犯人はそれしかないだろうし。とまれ、恩田陸作品なので、ミステリとしてどうこう突っ込んでも意味がない。70年代フィルターのかかった一夏の物語。自分は他人とは違うのだという矜持を当たり前のように持ち得た少女の時間。はかなげで、ゆらぎ、かぎろう瞬間のきらめきをサクっと切り取って見せてくれたのがこのお話なのではないかと。香澄の母が死して永遠に夫を支配したように、香澄自身も自らの死によって、残された人々を呪縛し続けるのだろう。永遠の少女として。[2003/08]

謎の電子テロリスト"トゥエルブ"。禁断のコンピュータウィルスを駆使し、日本政府、自衛隊、米国国防総省をも手玉に取る男の正体とは?落ちこぼれ自衛官の平はかつての上司、東馬との再会から諜報戦の濁流に呑み込まれていく。沖縄の米軍基地に狙いを定めた"トゥエルブ"の真の狙いとは何なのか。日米がひた隠しにしてきた歴史の暗部が白日の下に晒されようとしていた。
第44回江戸川乱歩賞受賞作品。ちなみに同時受賞は池井戸潤の『果つる底なき』。『亡国のイージス』でブレイクした福井晴敏だが、その先駆とも言える作品が本作。
ホントは出来る男がうらぶれて駄目人間化しているところで一念発起して大活躍という、判りやすくてツボを抑えた展開が◎。元上司で天才テロリストの上馬修一や、美少女コマンドー(死語)ウルマ、女の情念ドロドロの夏生由梨などなど、何れもキャラが立っていて実によく書けている。ただ、全編に見られる表現の青臭さが目立ちすぎるのが減点ポイントかな。終盤にかけての躍動感溢れる盛り上がりぶりは見事。『亡国のイージス』を早く見つけてこなくては。[2003/08] ⇒次巻

信州白樺湖畔に佇む洋館「鳥の城」。当主の由良昴允は五度目の婚礼を目前にしており、館内では緊張が高まっていた。過去四回、昴允の花嫁はその初夜が明けると共に殺害されており、そして未だその犯人は捕まっていないのだ。事件を未然に防ぐべく召還された探偵、榎木津礼二郎と付添人の関口巽。しかし彼らの目の前で、またしても事件は起きた。
京極堂シリーズの八作目。意外にもこのサイトで京極作品扱うの初めてなのな。七作目の『塗仏の宴 宴の始末』が1998年9月刊行だから、5年振りのシリーズ再開か。久しぶりに味わう関クンの鬱々とした自虐ぶりが懐かしい。絶対に付き合いたくないタイプの男だ。京極はもちろんのこと、榎木津、木場も再登場。このシリーズはキャラ萌え小説としての側面も重要なので、基本キャラはしっかりと押さえてきている。惜しむらくは女性陣の出番が皆無なのが残念。敦子ちゃんは元気なんだろうか。
以下、『姑獲鳥の夏』のネタバレも含むので未読の人注意。
結局のところこの話、所原点回帰なのか、中古アイディアの拡大再生産なのか、第一作『姑獲鳥の夏』のパターンを意図的に踏襲してきている。認識のずれを逆手に取ったオチと、それを納得させるための膨大な蘊蓄。最初に榎木津のネタバレが入るところまで同じ。これを良しと出来るかどうかが評価の分かれ目だと思う。京極ファンなら、この雰囲気が味わえるだけで満足かもしれんけど。同じネタ何度も使わなくてもいいじゃんと、萎える気持ちがあるのも確か。『姑獲鳥の夏』を読んでいれば、真相は早々に判ってしまうわけで、それでも最後まで読ませる筆力はさすがだけどね。[2003/08] ⇒次巻

ミリアとユリは友人、深月仁美の求めに応じ八丈島へと旅立つ。例によって例のごとく、ついでながら石崎も同行。離婚により別居中の仁美の父親、新堂剣蔵を訪ねることが目的だ。しかし到着するや否や、八丈島を台風が直撃。滞在先の別荘は「嵐の山荘」状態となってしまう。その夜、施錠された部屋の内部で、剣蔵が襲撃を受ける。犯人はどのような手段で目的を果たしたのだろうか。
ミリア&ユリシリーズ第四弾。講談社ノベルス創刊20周年記念「密室本」のラインナップ中の一冊。不本意ながら、このシリーズの不毛な会話にも慣れてきてしまった。人としてミステリ読みとして、順応性の高さを誇っていいことかもしれない(違う)。
「密室本」はその名の通り、本文の部分がまるごと袋綴じ状態になっている。それだけに本書のタイトルは実に人を食ったネーミングになっているわけだが、作中作の『玄円館殺人事件』と本筋との関連づけがあまりに強引過ぎる。逆に何かあるんじゃないかと、勘繰ってしまった程だが、単に消化し切れていないだけ。「それだけかよ!」と突っ込んでしまった人、他にも居ないか?[2003/08]
人類は遂に火星へに到達した。しかし火星は無人の大地では無かった。地球からの探検隊は火星人の妨害によって次々と消息を絶っていく。それでも続々と来襲する地球人の大集団に、いつしか火星人たちは駆逐されていった。植民星となった火星だが、新天地に見えたこの地もまた、地球社会の縮図でしかなかった。地球に異変が訪れた時、火星に新たな変化が訪れようとしていた。
1950年作品。ブラッドベリ30歳の時の作品。半世紀以上前の作品とは思えないな。本作は火星到着の1999年(!)から、新たな火星人の誕生を見る2026年までの27年間を、26編のショートストーリーで綴る連作短編の形式を取っている。複数のエピソードに登場する人物もいるけれど、全編を通した主人公は存在しない。あえて云うならば、火星そのものが主役というべきところだろう。
『クリスタル・サイレンス』に引き続き、火星大接近記念ということで再読。初読はなんと1985年。18年振りか。第二次大戦後の社会情勢を色濃く反映した社会批判が、今でも違和感なく読めてしまうところに人類の進歩の無さを痛感させられる。こうしたアイロニカルな社会批判が嫌みにならず、全編に横溢する詩情と打ち消し合うことなく共生出来ていることころが名作の名作たる所以か。「百万年ピクニック」のラストを完全に忘れていた自分の記憶力の無さに心から感謝。もう一回この感動を味わえるとは。[2003/08]