5月は8冊。ゴールデンウィークで結構読めたつもりだったけど、
『天使』に時間が取られて2桁読破はならず。佐藤亜紀はやっぱり良いな。
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コメント |
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| ダブルダウン勘繰郎 | 西尾維新 | 講談社 | \760 |
蘿蔔って一発で出るATOK
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★★★ |
| 極限推理コロシアム | 矢野龍王 | 講談社 | \820 |
極限という程では。
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★★★ |
| 舞城王太郎 | 講談社 | \1,600 |
相変わらず素晴らしい突き抜け方。
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★★★☆ | |
| 増子二郎 | メディア ワークス |
\530 |
続編があるらしい。
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★★★☆ | |
| 天使 | 佐藤亜紀 | 文藝春秋 | \1,714 |
適度な退廃感。
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★★★☆ |
| 生垣真太郎 | 講談社 | \840 |
印象が軽め。
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★★★ | |
| 森博嗣 | 新潮社 | \2,000 |
詰めが好きでない。
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★★★ | |
| 青木和 | 徳間書店 | \705 |
デュアルって最近出てないよね。
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★★★ | |
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ダブルダウン勘繰郎 [西尾維新] ★★★ 講談社 講談社ノベルズ (\760) [Amazon] |
| ついでに…… 『ドッペルゲンガー宮』@霧舎巧 <<これも館が二つ。 |

猫を殺し続ける友人の秘密に気付いた僕が体験した奇妙な体験を描く表題作を始め、街に日夜出没するバット男。この変質者の子供を身籠もったと言い始めた同級生。騒動に巻き込まれた主人公の思いを描く「バット男」。好きな男を更正させるために性技に磨きをかけるしっかり者のわたし。しかし思わぬ事件の発生が二人の運命を暗転に叩き込む「ピコーン!」。三編の短編を収録した作品集。
「群像」掲載の二作に書き下ろし(「ピコーン!」)を加えて単行本化したもの。2002年刊行。作中の短編「熊の場所」は第15回の三島由紀夫賞の候補作品。表紙部分は特殊な素材で作られていてモコモコした感触が楽しめる。なかなか見られない装丁になっている。「熊の場所」⇒「熊」⇒「ぬいぐるみ」⇒「モコモコ」という連想なのだろうか。
メフィスト賞出身でありながら文学誌「群像」に作品を書くってのはやっぱり異例なことだと思うのだが、確かに一連の奈津川家サーガをミステリと言い切るのも考えてみれば無理がある気がするので、どっちかというとそもそも舞城作品ってブンガク寄り?ミステリのくびきから完全に解き放たれた本書では、凄絶な舞城力が充満していて、行間から滲み出るむやみやたらな筆力にとにかく圧倒させられる。根元的な人間欲求であるエロだとか、バイオレンスなんてのを、てらいもなく突き詰めていくとこんな作品になっていくのか。下品でしょうもない話なのに、終わった頃にはなぜだか感動しちゃってる。不思議な作品群である。[2004/05]
相次ぐ戦乱で人口が激減した未来の世界。人間に代わり郵便物を配達するのは人型の自動機械だ。MMF108-41シルキーと呼称される少女に備えられたのは疑似的な感情表現機能。彼女に搭載された自意識システムは、世界の様々な出来事に触れながら少しずつ成長していく。本来の機能を超えて広がり続けるその想いはどこに行き着くのか。
2002年刊行。連作短編集。五編のエピソードが収録されており、一番最初の「ポストガール」は第1回の電撃hp短編小説賞受賞作品。最後の一編のみが書き下ろしで、それ以外の初出は全て「電撃hp」。
本来感情が無い筈の人型の自律機械に付与された自意識システム。それがエピソードを重ねる毎に、仕様の域を超えて成長していくという話の骨子は面白い。本来持ち合わせない「感情」が自らの中で育っていく課程、葛藤と逡巡が巧く作中で表現されていて◎。主人公が萌えキャラ美少女ロボットになってしまうのは電撃文庫なので仕方のないところだが、エスエフ作品として十分読み応えのある内容になっていて良かった。[2004/05] ⇒次巻

20世紀初頭のオーストリア。天与の「感覚」を評価されオーストリアの諜報機関に引き取られたジェルジュ。成長した彼は上司の顧問官の命の下、ヨーロッパ各地を放浪する。ウィーン、ペテルブルク、ベオグラード。第一次世界大戦の戦禍の中で、繰り広げられる異能者たちの壮絶な死闘。そして自らの出生の秘密を知らされた時ジェルジュは……。
2002年刊行。別冊文藝春秋の2002年3月号、5月号、7月号に掲載された作品を単行本化したもの。佐藤亜紀六作目の小説作品。勿体なくてなかなか読めずにいたら、続巻が出ちゃったよ。早読みの自分にしてはわりと時間をかけて読了。一気読みするタイプの作品じゃないけど、最後まで読み終えるのに一ヶ月くらいかかった。
主語が省略されていたり、直接的に表現されていなかったり、言外に匂わせているところが多すぎて読んでいてひとときも気が抜けない。行きつ戻りつしながら、まったり読み進めていくのが、この作品を楽しむ基本姿勢だろう。時間があれば是非再読したい。
超能力戦争なんてベタなネタが、佐藤亜紀の手にかかると途端に華麗でエレガントな空気をまとい始めるのだから不思議だ。どこか厭世的で退廃感漂う主人公造形もいつものパターンなんだけど、ほんのり添えられている青っぽさがこれまた微妙なバランスでブレンドされていていい感じ。第一次大戦前後という、ギリギリ現代臭さが出てこない時代設定も◎だ。[2004/05]

1979年のニューヨーク。秋。映画編集者であるディヴィッドは仕事の途中で不思議なフィルムを発見する。スクリーンの中で凄惨な死を遂げる女優。フィルムに封じ込められていた映像はあまりに真に迫った畏るべきものだった。果たして、それは演技なのか、現実にあったことなのか。主演女優アンジェリカにまつわる謎を追って、ディヴィッドは調査を開始する。
第27回のメフィスト賞受賞作品。2003年刊行。作者は1973年生まれ。メフィスト賞にしては、少し毛色の変わった(もともと変な話ばっかりだけど)お話。アメリカを舞台とし、外国人を主人公に据えた作品。
女優のアンジェリカと、失踪したもう一人のアンジェリカ、そして自らが封印してしまった少年の日の思い出。錯綜し、もつれながら、メタな世界へ墜ちていく展開が面白い。でも、あともう一捻りを求めてしまうのは贅沢な望みか。ミステリ界の一芸入試、メフィスト賞の受賞作にしては今ひとつ突き抜けたところを感じ取れなかったのが難点といえば難点。読後に何も残らないんだよなあ。どんな方向に作風が広がっていくのか、今後に一応期待[2004/05]

本州と四国を結ぶ海峡大橋。その基部となっているアンカレイジの中に、人知れず参集した六人の男女。盲目でありながら、若くして天才の名を欲しいままにする勅使河原潤。彼が残る五人を呼び寄せたその直後、部屋は完全に密閉され、陰惨な殺人事件の幕が切って落とされる。果たして犯人は誰なのか。最後に残された二人とは一体……。
1999年刊行。新潮ミステリー倶楽部への書き下ろし作品。当時、講談社で犀川&萌絵シリーズを続けていた森博嗣としては、初のシリーズ外作品。2001年に何故か講談社ノベルズ版が発売され、2002年には新潮文庫版が発売されている。
二人の視点で交互に物語が綴られていくのだが、ひっかけ耐性が出来てるスレた読者はわりとすぐに仕掛けが読めてくる。主人公とヒロインがそれぞれ実は、本来の役割の人物の偽物というところがポイント……、なんだけど、第一の結論はさすがにムリがあるだろ。あれが二箇所あるってのは、別にトンデモな設定じゃないと思うけど、さすがにあのオチは受け入れがたい。ってところで、真の結論が提示される。が、エー、ここでサイコネタですか。それは反則のような。どっちのエンディングも欲求不満がたまる、いささか物足りなさを感じた一冊。[2004/05]
禁断のカエリ淵から帰った弟、灘の様子がおかしい。兄である嶺は一抹の不審を抱く。九死に一生を得て生還した筈の弟だったが、その日から不思議な現象が嶺の周囲で相次ぐようになる。頻発する小動物の死。異常なまでに水を欲しがる灘。高校の非常勤講師、大神亮平はその原因として、集落に伝わるとある伝承を想起するのだが……。
2000年刊行。青木和は1961年生まれ。2000年に『イミューン』で第一回日本SF新人賞の佳作に入選。本作が二作目となる。
サブタイトルの「大神亮平奇象観測ファイル」ってところで、ちょっと嫌な予感はしていた。なにせ兄弟モノっぽかったし。なんとなく「霊感探偵倶楽部」とか「薬屋探偵妖綺譚」みたいな、自キャラ萌え入った耽美ワールドが想像されるじゃん(好きな人ゴメンな)。が、いざ読み進めてみると、民俗趣味の入った硬派なジュブナイルホラーといったテイストで、いい意味で裏切られた。問題は、タイトルにもなっているのに、大神亮平が全く活躍しないこと(笑)。ぐだぐだ言うだけで何もしてないじゃんこいつ。もっと主人公兄弟メインの話で、良かったのでは。大神クンのシリーズを本当は続けるつもりだったのかな。[2004/05]