2004年の年間読書量は131冊。
月10冊の最低レベルはクリア出来たけど、うーん、せめて150冊は読みたかった。
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コメント |
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| 歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ |
菅浩江 | 祥伝社 | \857 |
和みの中にほんのりと毒。
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★★★ |
| 殊能将之 | 講談社 | \840 |
稲妻卿最高!
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★★★☆ | |
| 有川浩 | メディア ワークス |
\550 |
イラストは合ってないような。
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★★★ | |
| 海底密室 | 三雲岳斗 | 徳間書店 | \762 |
地味。
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★★★ |
| 夏の名残りの薔薇 | 恩田陸 | 文藝春秋 | \1,857 |
藪の中タイプ。というか藪以前。
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★★★☆ |
| もっと秘境駅に行こう! | 牛山隆信 | 小学館 | \533 |
無性に旅行したくなった。
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★★★☆ |
| ライトノベル★めった斬り! | 大森望 三村美衣 |
太田出版 | \1,480 |
ブックレビューだけでも読む価値あり。
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★★★☆ |
| 魔導物語'98 | 織田健司 | アスペクト | \640 |
可もなく不可もなく。
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★★★ |
| 有川浩 | メディア ワークス |
\1,600 |
宮じいの存在感がスゴイ。
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★★★☆ | |
| 池澤夏樹 | 文藝春秋 | \437 |
『ティオの夜の旅』も要チェック。
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★★★☆ | |
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歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ [菅浩江] ★★★ 祥伝社 ノン・ノベル (\857) [Amazon] |
| ついでに…… 『すべてがFになる』@森博嗣 <<科学なミステリってことで。 |

晩秋。とある観光地のクラシカルなホテル。年に数日だけこの豪奢なホテルは沢渡一族の貸し切りとなる。長老格の三人の老婆に選ばれた者たちだけがここに集うことを許されるのだ。秘められた過去の罪。禁断の不倫。幾重にも重ねられた嘘。わき起こる猜疑心。数多の想いが渦巻くこの場所で起きた殺人事件。一体誰が、そして何故。二転三転する物語の帰結は。
2004年刊行。「別冊文藝春秋」の245号から250号にかけて連載された作品を単行本化したもの。単行本にしてはめずらしくあとがき付き。更に杉江松恋による解説、インタビューまでついてくる。豪華なおまけ三点セットがファンには嬉しい。ちょっと高すぎるかなという価格設定もこれならまあ許せるか。巻末の作品リストもありがたい。
周囲から隔絶された豪華ホテルでの殺人。いかにもいわくありげなクセの強いキャラクターがわんさか登場。だいたい文藝春秋が出しているこのレーベル、その名も「本格ミステリ・マスターズ」ってことで、普通に考えると、おおっ、遂に恩田も本格推理の長編を書く気になったのか!って期待がかかるところなんだけど、そんなノリで読んでいくと第二変奏の序盤でガクっとずっこけることは必至。引用の元ネタの『去年マリエンバートで』 [Amazon] やタイトルの元ネタであるハインリヒ・W・エルンストの『夏の名残りの薔薇』についての知識があれば予想もつくのだろうけど、おいおい桜子生きてるじゃん!って心の中でツッコミを入れたのは絶対にわたしだけではない筈。
そもそも、目次にある「主題」「第一変奏」「第二変奏」と続く流れで判れよってことなのだろう。主題で示されたモチーフ「罪深き女が復讐者によって殺される」が手を変え品を変え繰り返される。明確な解決はいずれのエピソードでも示されることはない。恩田陸作品が明確な着地点を示さないのは今回に始まったことではないが、さすがに何度もやっていることだけに本作ではその手際が洗練されてきている。敢えて作品を閉じないことで醸し出される余韻。物語の揺らぎを今回は素直に楽しむことが出来た。登場人物(特に桜子)が魅力的に描けていたこともあってか、[2004/12]

乗降客もほとんど無く、周辺にも集落は皆無。利用価値が希薄に思える駅<秘境駅>探訪の旅は続く。政令指定都市にもある秘境。眼前に大洋が広がるとっておきの駅。味わい深い駅舎の数々。近隣に温泉がある駅。地下鉄でも無いのにとんでも無い地下に存在する駅。そして往時の栄光が過ぎ去り、ひっそりと秘境化していく駅たち。日本各地の不思議な駅を巡る。
2003年刊行。2001年に刊行された『秘境駅へ行こう!』 [Amazon] の続編。前作は各方面で話題になったようでいつのまにか続きがでていた。気付けばCSとはいえテレビ番組まで制作されており、鉄ヲタ層だけでなく一般層にまで秘境駅の存在はじわじわと浸透している模様。取り扱い駅数はこれまでの20駅に較べて35駅とほぼ倍増している。
際物的な秘境度の高い駅は前作である程度扱ってしまったこともあり、その点ではややインパクトが劣るのは否めない。その分、秘境度にとらわれず、幅広い視点での駅チョイスが行われているので紀行文としての面白さは逆に上がっている。筆者の広島転勤を期に、西日本方面の記事の充実度があがっているのも特徴の一つ。西日本、特に九州のJRにほとんど乗っていない自分としては非常に羨ましい。[2004/12]
| ついでに…… 『秘境駅へ行こう!』 <<著者本人サイト |

ライトノベルって何?30年にも及ばんとするその歴史にメスを入れた画期的なガイドブックが登場。黎明期から発展期、そして現在に至るまでの流れを対談形式で紹介。大森望と三村美衣、このジャンルを語らせれば向かうところ敵無しの二人がライトノベル史をめった斬る。既刊数万にも達する膨大な作品群の中から100タイトルを厳選。
2004年刊行。『ライトノベル完全読本』 [Amazon] や『このライトノベルがすごい!』 [Amazon] が出て、俄に脚光が当たり始めたライトノベルについてなんか言わなきゃっムーブメント。前二作はランキング本でもあり、最初に出たライトノベルガイドという側面もあって、その歴史についての記述も、取り扱い書籍のレビューについても総花的な印象がどうしても拭いきれなかった。その点本書はライトノベルの歴史について語ること、厳選された100タイトルのみにレビューすることの二点にポイントを絞っているだけに内容が濃くて非常に読み応えがある内容に仕上がっている。
筆者の二人は40代前半。その始まりからリアルタイムでライトノベルを読み続けている最初の世代。なおかつ、現在でも書評で飯を食っているだけあって着眼点が卓越している。自分の場合だとライトノベル(と後に呼ばれるようになったもの)を読むようになったのは80年代の初頭。そのころは既にソノラマもコバルトもあって、物心ついたときに既にその手の読み物は存在していたわけで、発生以前の状況ってのがどうもピンと来ない。ライトノベルの特質を明確にしながら、その起源は『超革命的中学生集団』 [Amazon] である!なんてぶちかますあたりは、ああ、なるほどなと目からウロコな思い。リアルタイムで創世記に立ち会えているのは羨ましい。
それから興味深かったのは『ロードス島戦記』 [Amazon] 前後から始まったコンピュータゲームやらRPGからの影響について触れている部分。ゲーム的な概念が読み手に浸透してきた頃から始まる文体の変化。ヲタ的な文化の影響をモロに受けやすいこの手のレーベルの特徴は、既にこんな時期から始まっていたわけだ。あえてこの本では詳しく扱っていないけど、ノベライズの受け皿、メディアミックスの一媒体としてのライトノベル。という捉え方も真面目に考察してみると面白そうだ。また書いてくれないかな(他力本願)。
筆者が男性、女性二人存在することでそれぞれの不得意分野が補完出来ているのがいいところ。特に女性向けレーベルは『十二国記』 [Amazon] や『マリア様がみてる』 [Amazon] みたいな超ヒット級しか読んでこなかったので非常に参考になった。ちなみに本書で紹介された100冊の既読率は46%。コバルトやホワイトハートもちゃんと読まなきゃダメだな。食わず嫌いは良くないなと反省。今度探してみよっと。[2004/12]
| ついでに…… 『ライトノベル☆めった斬り! Official Site』 <<本書公式サイト |

謎の次元生命体ヨグスの出現はアルルたちの世界に大異変をもたらした。相次ぐ天変地異、各地で人々を襲い始めた魔物たちの群れ。別世界からやってきた、勇者ラグナスと共に世界を救うためにアルルは旅立つことになる。お馴染みのルルー、シェゾをパーティに加え神秘のベールに包まれたヨグスの正体に迫っていく。
1998年刊行。あとがきから推察するにセガサターン版の『魔導物語』 [Amazon] をベースに書かれたものらしい。魔導シリーズのノベライズはこれまでずっとスニーカー文庫から出ていたのだが、何故かファミ通文庫からも作品が出るようになる。スニーカーの『新魔導物語3』 [Amazon] が1997年の刊行。本書が1998年。それでいて、スニーカーの方は1999年から2000年にかけて『超魔導物語』 [Amazon] が出ているので、この時期は平行して2レーベルから本が出ていたことになる。立ち上げ直後でタマが無かったファミ通文庫が無理しちゃったのかな(邪推)。
内容は、普通にノベライズ。このレーベルでは初のお目見えってことで、主要キャラクターそれぞれに見せ場を用意して、ゲームならではの世界設定やイベントも随所に織り込んで無難にできあがり、って感じ。元のゲームをプレイしていないので推測でしかないけど、それなりな体裁は整っているのではないかと。[2004/12]

200X年。四国沖200キロの上空で起きた二件の航空事故。その真相は思いもよらぬものだった。高度20,000メートルの高々度世界で、人類は全長数キロにも及ぶ未知の知的生命体に遭遇する。事故によって父親を失った斉木瞬は、海岸に打ち上げられた不思議な生物を拾い家に持ち帰る。失意の底にあった瞬は、謎の生き物との交流を通じて次第に活力を取り戻していくのだが……。
2004年刊行。『塩の街』 [Amazon] で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞した有川浩の第二作が本書。なんとハードカバーで登場だ。これまでも高畑京一郎の『タイムリープ』 [Amazon] みたいにここぞと決め込んだ作品はハードカバーで出してくることが無かったことでは無いわけだが、本書は思い切りよく表紙にすらイラスト無し。版元がメディアワークスってことを除けば、一般の文芸書と見た目では全く区別がつかない程。帯の推薦者も恩田陸に橋本大二郎!とインパクト十分。これは勝負に出たね。
未知の生命体と友情を育む少年と、未曾有の驚異に真摯に立ち向かうオトナたち。少し読んですぐに感じたのが濃厚に特撮テイストな雰囲気。あまり特撮は得意でない自分でも感じるくらいだから、その筋に詳しいひとなら琴線に触れる部分がたくさんあるのではないかと思う。この本が売れたら、アニメ化でなく特撮映画化を目指すように>>メディアワークスの人。
人智を越えた異種知性との邂逅を子供と大人の二視点で描きながら、ジュブナイル小説としての輝きや、ミステリ的な謎解きの面白さ、エスエフ的なセンスオブワンダーなワクワク感をも併せ持ち、更に破壊的に萌え度の高い武田三尉のようなキャラクターまで用意されている。これらの要素が互いを阻害することなく、渾然一体となって読み応えのある快作に仕上がっているのが素晴らしい。ネイティブな高知弁の存在がこれまたお見事。この独特の言い回しだけで、瞬を取り巻く世界が瑞々しく活気のあるものになっている。モノクロの絵がいきなりカラーになったかのような鮮烈さ。本当に本人が全部読んだのかどうかは、嘘くさいが橋本大二郎が推挙したくなる気持ちも判るな。[2004/12]

とある南の島にその少年はいた。ホテルを経営する父の手伝いをしながら、島の少年ティオはさまざまな人々に出会い、数々の出来事に遭遇していく。受取人が必ずその場所を訪れたくなる魔法の絵はがき。謎めいた男と共に消えてしまった少女の話。舗装されてしまった島の道路に埋まっていたものは。描き出された十の光景。連作短編集。
「飛ぶ教室」や「青春と読書」「詩とメルヘン」に発表されていた諸作品をまとめたもの。単行本版が出たのが1992年。第41回の小学館文学賞の受賞作品。文庫版の本書は1996年刊行。作者は1945年生まれ。『スティル・ライフ』 [Amazon] で中央公論新人賞と芥川賞。『マシアス・ギリの失脚』 [Amazon] で谷崎潤一郎賞を受賞している。
連作短編とされてはいるが、それぞれの話は独立しているので単独で読んでも問題は無い。南の方にあるどこかの国のどこかの島。気候は穏やかで、風光明媚。あくせく働かなくても暮らして行ける。そんな島で生まれ育った少年ティオが見たり聞いたり体験したりすることの数々が詩情豊かな筆致で紡がれていく。楽園のような場所に見えても、人間が暮らしている以上、哀しいことややるせないことは決して無くならない。子供向けに書かれた作品らしいが、適度に散らされた棘のような毒がいいスパイスになっている。沢山借りてきたので2005年は池澤夏樹をガンガン読むつもり。[2004/12]
| ついでに…… 『バガージマヌパナス』@池上永一 <<こんな南の島も話も。 |