月間14冊とまあまあな出だし。冬休みがあったからね。
今年もラノベからミステリ、エスエフ、その他蘊蓄本まで広く浅く読んでいく予定。
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コメント |
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| 新本格魔法少女りすか | 西尾維新 | 講談社 | \880 |
九州恐るべし。
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★★★ |
| あさのあつこ | 角川書店 | \514 |
今回もアツイ。
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★★★☆ | |
| 佐藤賢一 | 文藝春秋 | \2,000 |
でも、けっこう酷い奴だと思う。
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★★★☆ | |
| 住本優 | メディア ワークス |
\590 |
初球から全力で来い。
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★★☆ | |
| レキオス | 池上永一 | 文藝春秋 | \2,000 |
変態科学者のお姉さんがいい。
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★★★☆ |
| 藤田達生 | 講談社 | \700 |
ちょっと駆け足になりすぎた。
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★★★ | |
| 池澤夏樹 | 文藝春秋 | \419 |
沖縄に行きたくなる。
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★★★☆ | |
| 今野緒雪 | 集英社 | \419 |
ロサ・カニーナ再び。
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★★★ | |
| アシャワンの乙女たち | 牧野修 | 朝日ソノラマ | \571 |
今度はバロム1。相変わらずネタが年寄り向け。
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★★★ |
| 梅津裕一 | 角川書店 | \600 |
この昏さがたまらない。
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★★★ | |
| 梅津裕一 | 角川書店 | \533 |
今回も暗黒系。
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★★★☆ | |
| 中里和一 安藤邦博 宇江敏勝 |
INAX ギャラリー |
\1,500 |
昔の小屋の写真はとても貴重。
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★★★☆ | |
| トリニティブラッド Reborn on the Mars VII 極光の牙 |
吉田直 | 角川書店 | - |
ザ・スニの付録。
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★★☆ |
| 吉田直 | 角川書店 | \514 |
これで最後。
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★★☆ | |
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新本格魔法少女りすか
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| ついでに…… 『激戦!エジプト遠征 ナポレオンの勇者たち』@リチャード・ハワード <<ナポレオンのエジプト遠征を下っ端兵士の視点から描く。 |
戦時に開発された兵器"遺伝子強化兵"。圧倒的な戦闘能力と引き替えに17歳でその生を終えなくてはならない非情な運命の下に生まれた少年少女たち。その力を発揮することもなく戦争は終結し、16歳の夏を迎えた小谷順子は一高校生として、同じような境遇の者だけが通う北四尾高校に通学することになる。順子の最後の時間が静かに流れ出そうとしていた。
2004年刊行。第4回電撃hp短編小説賞最終選考作。作者は1985年生まれの関西人。本作がデビュー作。設定といいタイトルといいイラストといい、泣けといわんばかりのせつなさ炸裂系作品、を、目指したのではないかと想像。今更こんなことに気付いても仕方ないのだが、近頃のライトノベルって一巻で完結するなんてことはまったく想定に無いわけな。連作短編形式で物語は進行していくが、この巻だけだと単なるプロローグ。悲劇の予感をほんのりと漂わせながらも、これといった印象に残るエピソードもなく終了。
いろいろ隠された秘密はあるようなのだがほとんどの謎は明かされないままだ。新人なのだから、出し惜しみしないで、初球からど真ん中に剛速球放ってくるくらいの覚悟でないと、後が続けられないのではなかろうかと、余計な心配をしてしまいたくなる。素材的にはいくらでも泣ける話に出来る設定なのだから、ここはあざといくらいに泣かしに走って欲しかった。[2005/01]

沖縄に異変が訪れようとしていた。謎の米国軍人キャラダインは魔術を駆使してレキオスの封印を解こうとする。複雑な事情の下で育った混血の少女デニスは、自らの持つシャーマニックな力に目覚め、レキオスを巡る騒動に巻き込まれていく。入り乱れる各国の諜報機関。野心に燃える天才科学者。事態は加速度的に混迷を深めていく。
2000年刊行。池上永一の四作目。ベストSF2000の国内部門の第2位。2001年版の「このミステリーがすごい!」の国内部門第20位にランクインしている作品。美人女子高生から、数千年を生きる伝説の魔導師まで、奇人変人群れ集っての壮絶な魔法バトルを描く。高橋克彦の諸作品を、沖縄を舞台に変えて、池上永一風味でアレンジすると出来上がり、って感じの作品。
全編を通じて南方諸島特有のおおらかさというか、適当さが貫かれていて、カチッカチッと何事も綺麗に揃っていないと気が済まないタイプには向かないお話だろう。時間も空間すらもこの作品の中では確かなものではなく、過去と未来、此岸と彼岸とがゆるやかに入り交じりながら、行きつ戻りつしながら物語が綴られていく。この流れに身を委ねられるか、もどかしいと思うかで真っ二つに評価が分かれそうだ。
「日本に返還されなかった沖縄」というパラレルな世界は歴史のifとして、非常に興味深い設定なので、どうせならもっとページを割いて欲しかった。琉球王国時代から現代に至までの沖縄史を作中に織り込みながら、未だ真の意味では解放されていない沖縄の過酷な現実をファンタジーな世界の中で痛烈に風刺してみせた力業は見事なものだと思う。[2005/01]

天下布武をスローガンに掲げ、その偉業の達成を前にして自刃した織田信長。日本史上稀に見る一大クーデターであった本能寺の変。三日天下に終わった明智光秀ではあったが、その謀反は彼一個人によるものだったのか。筋書きを書いた人物は誰なのか。足利将軍に代表される旧時代の抵抗勢力との対立を軸に読み解いていく。
2003年刊行。筆者は1958年生まれ。三重大学の教育学部の教授。
本能寺の変の黒幕は誰なのか。これまでもドラマや小説で散々語られてきたことで、やれ秀吉だ、やれ毛利だ徳川だと諸説紛々。本書では、実は足利義昭はスゴイ男だった!という説の下で本能寺の変に至るまでの諸々の謎に迫っていく。京を追われ全国を転々としながらも、対信長包囲網を維持し続けた政治力と執念は確かに評価すべきだろう。義昭に限らず、室町幕府の将軍には、どうも光が当たることが少ないので、機会があれば足利将軍についてもう少し知っておきたいところ。[2005/01]

なにか憑かれたかのように眠りに誘われる女。夢の中での自分は南島の失われた祭、イザイホーの中に居た「眠る女」。天体観測のために訪れたとある孤島で繰り広げられるささやかな冒険譚「アステロイド観測隊」。北の大地にただ一羽残されたシマフクロウの人生最後の時間を描く「最後の一羽」。他9編を収録した短編集。
「文學界」「スイッチ」「毎日新聞」「キャラウェイ」「クレヨン」「新潮現代童話館」「リテラリー スイッチ」「群像」などの諸誌に1989年から1995年にかけて発表された作品をまとめた短編集。1995年に単行本 [Amazon] として刊行され、1998年に文庫化されたのが本書。
9編の作品が収録されているが内容はさまざま。作者の好みのせいか南の島の話がやや多いかなというくらい。どれもまるで違う話なのに、それでいて大事な何かを失ってしまった取り戻しようのない寂寞感が全編を通じて通奏低音のように流れていて、一本筋の通ったまとまりの良い短編集に仕上がっている。今ではこの世のどこにもない祭礼に集う女たち、死んだ男の骨を砕いて南海で散骨する女、幸福な人生の中で絶対的な孤独を感じてしまう男。喚起されるイメージが飛び抜けて美しいのは、その内側にたとえようのない程の欠落感や喪失感が湛えられているからなのだろう。静謐な筆致でありながらも深い暖かみを湛えた文章が素晴らしい。[2005/01]

学園祭が終わってようやく平穏な日々を取り戻しつつあるリリアン女学園。薔薇の館でうたた寝をしてしまった祐巳。待っていたはずの祥子はまだ戻ってきていない様子。その姿を追い求め、図書室までやってきた祐巳は思いがけない人の事を思い出すことになる。本にまつわる少女たちの想いを紡ぎ上げた挿話5編を収録。
マリみて十七作目。雑誌「コバルト」に発表された諸作品をまとめたもの。やっぱりマリみてはこの類のちょっと切ない系の枝エピソードの方が面白いなあ。普段は光の当たらないサブキャラ(初登場キャラもいるが)にスポットライトを当てて、彼女たちの心中に秘められた想いを、ふわっと形にしてみせる。意外な人物まで登場して、ずっとこのシリーズを読んできた人間にとっては嬉しい驚き。[2005/01] ⇒次巻
二年生の春。私立第四ボロヴィニア学園中等部の木戸美弥は自らに課せられた宿命と、生まれながらに備えていた大いなる力の存在を知る。学園内で次々と起きる奇妙な事件。世界の根元的な<絶対悪>ドゥルジと<<美徳の象徴>アシャ。太古より闘いを続けてきた二大勢力の対立は最終局面を迎えようとしていた。美弥は世界を救うことが出来るのか。
2004年刊行。元気溌剌な天真爛漫系少女の主人公と、気高くも美しい女王様系白鳥すこやか、ボーイッシュで喧嘩っ早い戦士系の小林燐と、天然系おっとり少女の古府薫と、最小構成ながらも、それなりに女の子キャラの基本パターンは押さえられている様子。
普通のライトノベル作品なら一エピソード使って、それぞれのキャラクターの見せ場を作ってキャラ造りをして、何巻かかけて最終局面まで盛り上げていくところなのだろうけど、牧野修だからなのか、ソノラマだからなのか、この話驚く無かれ、世界の善と悪の最終決戦がなんと一巻で完結してしまう。展開があまりにスピーディ過ぎて、せっかくのキャラクターが勿体ないなあ。ヒロイン以外の三人には見せ場らしい見せ場が少なくて残念。話の進展が早いためか、物語世界に説得力を持たせるだけの描写が少なく、いきなりそんな大事なこと断定口調で言い切られても……、と絶句してしまいそうなケースが多かったのもきつかった。[2005/01]
| ついでに…… 『ロミオとロミオは永遠に』@恩田陸<<バロムクロスつながりで(笑)。 |
死霊を使役する闇魔術の使い手ネフィリス。暗澹たる過去を背負い、諸国を遍歴するネフィリスが訪れたファルヴァースの街。領主アーディスは病を得て政務を離れ、娘のリリティアに委ねられた街の治安は悪化の一途を辿っていた。そして相続を狙う庶子インガスと手を組んだ魔女ディヴィアの暗躍により、その混乱は極限にまで達しようとしていた。
2000年刊行。梅津裕一としては初のオリジナル作品。もともとの性格からして果てしなく暗く、それに追い打ちをかけるような悲惨な人生経験で半ば精神が壊れ、しかも使う魔術は死霊メインの闇魔術、ビジュアルもオッサンにしかみえないしと、なかなかここまでは思い切れないだろうというほどに、暗黒ドロドロな主人公設定が素晴らしい。しかもヒロインは潜在的マゾだし、子供でも容赦なく殺されちゃうし、ラストに至っては(以下略……。
何事も徹底しているのはいいことだけど、これじゃ売れないでしょ!編集の人、良く許してくれたな。凝った設定で作り込んでいるだけあって、ネフィリスの存在感は確かなモノがあった。これはいいところ。でも、ネコ娘に「ニャアニャア」喋らせるのはさすがにやりすぎ。暗い話の唯一の和ませキャラなんだろうけど、ありがち過ぎてちょっと引いた。[2005/01] ⇒次巻

崩壊したファルヴァースを後にしたネフィリスたち一行は追っ手を避けるために、禁忌の地として知られる「闇歩む森」に足を踏み入れる。森の中を彷徨う彼らは、そこで不思議な集落に行き着く。「闇乙女」と呼ばれる少女を崇める村人たちは、過酷な北の森で生きていくには余りに脆弱な姿をしていた。不審を感じながらも村を出るネフィリスだったが、危険は間近に迫っていた。
2001年刊行。ネフィリスシリーズの二作目。ネコ女(戦士系)とマゾ娘(僧侶系)をお供にしてパーティ編成をしたネフィリス(魔法使い系)一行。僧侶のレベルが低すぎだけど、いちおうそれなりにバランスの取れた編成。森の中で遭遇した怪しげな集落でトラブルに巻き込まれてという展開。前作の「悪意の実」も良かったけど、今回の「聖なる暗黒」もその発想の禍々しさ、救われ無さ加減が素晴らしい。
ちなみに、このあと続巻は出ていないので、おそらく継続は見送られたのではないかと想像。毎回毎回話が暗すぎるので、さすがにこのタイプの作品は売れないだろうなとは思うけど、自分的にはかなりツボな暗黒度だったので今後に期待。ライトノベルは離れて、ホラー系で頑張った方がいいような気もするけど。[2005/01]

都市化が進み、日本の原風景とも言うべき懐かしい景観は次々と失われていく。伝統的な建物が開発の波の中で消えていく中で、未だ人間の手の温もりを留める数少ない建造物が小屋だ。実用本位に制作者の心の赴くままに造られた小屋の数々。作業のための実用施設、古来からの日本の小屋の系譜を紐解きながらその魅力に迫る。
1999年刊行。INAXギャラリーで開催された同名のイベントと併せて出版されたもの。イベントでの有料配布パンフレットのような存在だったのだろうか。中里和人が撮り溜めた日本各地の小屋の写真を中心に、建築家で筑波大教授の安藤邦博が現存する古くからの小屋を紹介、林業家にしてエッセイストの宇江敏勝が小屋についてのエッセイを寄稿している。
現代人が建てた適当極まりない小屋と、昔ながらの知恵が息づく小屋を同列に並べて見せるのは一瞬違和感を覚えないでもないのだが、遷移の過程をすっ飛ばして見ているからそう思えるのかも知れない。歴史の流れの中で姿形や役割が変えながらも正当な進化を果たしたこれこそが小屋の最新型なのだと思えば納得も行く。ビジュアルのインパクトは強烈だ。[2005/01]
| ついでに…… 『小屋の肖像』@中里和一<<↑が発展してこの写真集に(たぶん)。 |
帝国で頻発する誘拐事件。圧倒的な戦闘力を誇る長生種たちが、痕跡も残さず忽然と消えていく。メンフィス伯イオン・フォルトゥナは事件の手がかりを求めて、アルビオンのネバーランド島を目指していた。しかしその途上、正体不明の襲撃者の魔の手がイオンに迫る。それは、長生種の血を吸う長生種という驚くべき存在だった。
Reborn on the Mars(ROM)の七冊目となる筈だった作品。2004年7月に作者の吉田直が急逝したため未完となっていた。かろうじて残っていた完成部分に、その後のプロットを補追して「ザ・スニーカー」2004年12月号の付録として発行されたのが本冊子。僅か31ページのボリュームしか無く、これが遺稿なのかと思うと非常に残念でならない。
これまで狂言回し的な役所を演じてきたエステルだが、前巻までの展開であまりに偉くなりすぎてしまったので、この巻では半人前吸血鬼のイオンをメインに据えてストーリーを構築するつもりだったようだ。「トリニティ・ブラッド」の全体的な構想については、この冊子では触れられておらず、それについてはいずれ何らかの形で世に出していく、とのこと。アニメ化だ、コミック化だと角川的にはまだまだ盛り上げていきたいところだろうから、それなりに立派なまとめ本が出るのでは無いかと思う。[2005/01] ⇒次巻
| ついでに…… 『トリニティブラッド』公式サイト<<おおっ、神よ、こ、この絵は許されるのですか! |

歴史の陰で暗躍し続ける薔薇十字騎士団。その活動の策源地を急襲すべく、教皇庁は六人もの派遣執行官をゲルマニクスの古都ヴィエナへと送り込んだ。しかし騎士団内部も一枚岩では無かった。氷の魔女ヒルダは最高幹部ケンプファーの抹殺を企てていたのだ。ヴィエナの反ゲルマニクスパルチザンのテロ活動にも巻き込まれ、アベルたちは窮地に陥る。
Rage Against the Moons(RAM)の六冊目。まとまったボリュームで出せるのはこれが最後か。おそらくは吉田直の遺作。RAMのシリーズとしては最終エピソードらしいのだが、巻末で公開されているプロットの1/3も消化出来ていない。全てが終わると、時系列的にROMの一巻に丁度合流する仕掛けになっていたらしい。
これまで描かれてこなかった、謎の大国ゲルマニクスが舞台になっている。架空幻想都市としてのヴィエナ(ウィーン)がこのあとどのように描かれているのか読んでみたかった。どうせならばベルリンも。借り物感が強くて最初の頃は辟易していたけど、歴史上の有名都市が吉田直テイストでアレンジされて出てくるのを読むのが、近頃では楽しくなってきていたのだった。
RAMシリーズのラストを飾るってことなのか、そんなに派遣しちゃダメでしょカテリーナちゃんと突っ込みたくなるくらいオールスターキャストのAx勢揃い状態。これに異端審問官の皆さんが加われば最凶だったろうに。残念ながら派手な展開に突入する前に物語は中断してしまっている。未完なので評価は辛めで。[2005/01] ⇒次巻