わりと満遍なく、というか節操なく幅広く読めた月だったのではないかと。
『イニシエーション・ラブ』が今月は頭一つ抜けてたかな。
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コメント |
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| 嫉妬の世界史 | 山内昌之 | 新潮社 | \680 |
それも人間ってことで。
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★★★ |
| 野村美月 | エンター ブレイン |
\640 |
ドナドナが最強だという話。
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★★★ | |
| 撲殺天使ドクロちゃん5 | おかゆまさき | メディア ワークス |
\550 |
白濁の声を聞きたい。
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★★★ |
| 今野緒雪 | 集英社 | \438 |
自分的には可南子ちゃんが良かったのだが……。
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★★★ | |
| 乾くるみ | 原書房 | \1,600 |
イニシエーションされたい。
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★★★☆ | |
| 島津奔る 上 | 池宮彰一郎 | 新潮社 | \667 |
島津義弘が完璧過ぎる。
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★★★ |
| 島津奔る 下 | \667 | ||||
| 上遠野浩平 | 祥伝社 | \838 |
どの辺が研究だったんだろう。
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★★☆ | |
| 増子二郎 | メディア ワークス |
\570 |
今回も和む。
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★★★☆ | |
| 聖女チェレステ団の悪童 | ステファノ ・ベンニ |
集英社 | \2,136 |
怪作。
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★★★☆ |
| 上遠野浩平 | メディア ワークス |
\570 |
前の話を全部忘れている。
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★★★ | |
| 宝島編集部 | 宝島社 | \1,300 |
燃やしていい。
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★ | |
| 小川一水 | 朝日ソノラマ | \552 |
少々食い足りない。
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★★★ | |
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嫉妬の世界史 [山内昌之] ★★★ 新潮社 新潮新書 (\680) [Amazon] ※書影無し人間誰しもが持ち得る感情「嫉妬」。自分と同等、もしくは自分より劣ると見なしていた人物が予期せぬ評価、賞賛、愛情を受けたときに感じる気持ち。歴史上の偉人たちにとってもそれは例外では無い。英雄たちの嫉妬は時に一国を傾け、またある時には屍山血河を築く。凄惨極まりない嫉妬の数々を、歴史の事例を紐解きながら紹介する。 2004年刊行。筆者は1947年生まれ。東京大学大学院の教授。専門はイスラム地域研究と国際関係史。歴史の先生が豊富な知識のストックから、史上名高い「嫉妬」の数々をコラム風に紹介していくの本書。徳川慶喜と勝海舟。島津義久と義弘の兄弟。ヒトラーとロンメル。中大兄皇子と大海人皇子。登場するのはほとんどが有名人ばかりなので、とっかかりは非常に良い。ちょっと時間が開いた時にサッと読むには丁度いい感じの作品。 一番面白かったのは森鴎外に関するエピソード。軍医という極めて特殊な狭い世界で、日々積み重なっていく鬱憤を、文学の世界でてらいもなく晴らしていくその恐るべき妄念。限りなく逆恨みに近い場合もあったようで、高潔な文学者のイメージがガラガラと崩れていくのであった。思いがけない雑学を仕入れる事が出来るのも新書読みの楽しみの一つだ。[2005/04] 赤城山卓球場に歌声は響く
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| ついでに…… 『ゴンザの薗』の謎解き『イニシエーション・ラブ』 序章 時系列データ >>『イニシエーション・ラブ』の攻略はここが最強。超ネタバレなので注意。 |

太閤秀吉死す。異郷の地でその報に接した島津義弘は来るべき大乱の予兆を感じ取っていた。天下を望む徳川家康と、豊臣政権の護持安泰を計らんとする石田三成との対立は日増しに強まる。天下分け目の大戦を前にして、寡兵のまま激戦地のただ中に取り残された島津主従。最強を謳われた島津軍団。彼らは激動の時代をどう生き延びたのか。
1998年に刊行された単行本を2001年に文庫化したもの。司馬遼太郎の『関ヶ原』 [Amazon] との類似が指摘され現在は回収・絶版とのこと。
島津家視点での関ヶ原合戦物語。島津家は一時、九州一円を制覇しかけるところまでいきながらも、秀吉の九州征伐に屈しその野望を絶たれている。ここで当時の当主であった義久が隠居し弟の義弘が跡を継ぐ。義久は働き盛りの時分に引退を余儀なくされ、一方の義弘はその後の文禄・慶長の役で空前の大功績をあげ名声を大いに高めていく。
弟に対しての妬心から義久は関ヶ原に兵を送ることを拒み、大国島津が戦場に動員出来た兵力は僅かに千数百。一つ対応を間違えればその身は討死、自国も滅亡必至、両手足を縛られたような状況下で島津軍はいかに戦ったのか。これはなかなかに燃える設定で、四面楚歌の中で耐えに耐える義弘が実に格好いい。家康の居る敵本陣に向けて「退却」するあまりにも有名なクライマックスシーンが俄然盛り上がるのも、こうした耐えるシーンを根気よく積み重ねて描いてきたからこそだろう。
家康や三成を偉大な人物として描かず、美点も欠点も併せ持つ、悪でも善でもない奥行きの深いキャラクターに書き上げているところは巧いなと思ったのだが、その分義弘がオールマイティに完璧な人物になりすぎていて、ちょっとこれは美化しすぎの感あり。多少は疵があった方が人間味が増して良かったと思うのだが。義久があまりに狭量で矮小な武将として描かれているのも不満だな。[2005/05]

怪盗"ペイパーカット"は「生命と同等の価値のある物を盗む」。一見、何の価値もないかに見える物を盗み、結果としてその人物を死に至らしめる。自殺した人気歌手みなもと雫のトリビュートライブに送られた予告状。果たして"ペイパーカット"の目的は?サーカム保険の調査員、伊佐俊一と千条雅人は会場となる巨大ホールを訪れるのだが……。
2004年刊行。祥伝社からは初の上遠野作品。
据わりの悪さばかりが目に付く作品。物語と言うよりは、一連の現象をなぞっただけであるかのよう。一応の結末は用意されているものの、何故?どうして?という読み手の疑問はなんら解消されることが無い。他社シリーズとの関係を匂わせるのをやめろとは言わないが、せめて独立した作品として楽しめるレベルにまでは仕上げて欲しい。思わせぶりな台詞の数々をニヤリと楽しめる読者ばかりではないだろうに。続きがちゃんと出るのかな、これ。[2005/04] ⇒次巻

長く続いた戦争により疲弊しきった未来の地球。人間に替わって郵便物を届ける人型自律機械メルクリウス。その中の一人MMF108-41、通称シルキーは少し変わったメルクリウスだ。多くの人々とのふれあいが、数多もの事件での経験が彼女の自我を形作っていく。迷い戸惑いながらもシルキーは成長していく。あたかも人間の少女であるかのように。
2003年刊行。連作短編集。シリーズ二作目。五編のエピソードが収録されており、最後の一編のみが書き下ろし。それ以外の初出は全て「電撃hp」。
朽ち果てて死んでいく同胞を看取り、仲間である筈の機械との対峙し、と、のっけから地味ながらもテンションの高いエピソードが続く。続いての二話はハートウォーミング系なのだが、最終話の「フェスタ」ではこれまでにない、新展開を伺わせる要素が散りばめられていて見逃せない。なるほど、このタイトルにはそんなダブルミーニングが仕掛けてあったのか。
このお話しは、確か四巻で完結している筈なので、今回提示されたテーマがどんな風に料理されているのか残り二冊に期待しよう。あまり深刻な展開にはなって欲しく無いんだけど。なまじ今回がなごみ系の話に終始しただけにそろそろ反動が来そうな予感がする。[2005/04] ⇒次巻

聖女チェレステ孤児院。ここはかつての領主マリア伯爵によって娘チェレステが殺害され、その後昇天した地だった。そして現代。不気味な預言が現実とものとなり、孤児院の悪童メモリーノは仲間たちと共に孤児院を脱走。伝説のストリートサッカー大会に参加すべく旅に出る。旅の果てに彼らがたどり着いた場所では驚くべき事態が待ちかまえていた。
イタリアで1992年に刊行された作品の邦訳版。1995年刊行。この国では初版2万部は破格の大部数で、本作はウンベルト・エーコ級の大人気作品であるらしい。舞台となるグラドニア国は現代のイタリアを痛烈に風刺しながら戯画化したもので、きっと同国人であればこのキャラクターのモデルは誰それで、この団体はこれこれ、この事件の元ネタはこれと行った感じで、きっとニヤニヤしながら楽しく読めたのではなかろうか。この点、もう少し注釈があれば判りやすくて良かったのではと思う。これに限らず、本作では様々な場面で仄めかしや暗喩隠喩が多用されているので、読み手の理解度や知識量が試される。素養の無い自分には少々きつかった。
が、実はそんなことは全くわからなくてもこの作品は十分楽しめる。孤児院地下の大迷宮での探検。謎の少女チェレステとの出会い。仲間を探し求めての波乱の旅。迫り来る追跡者からの逃避行。そして少林サッカーもかくやとも言うべき、メチャメチャなストリートサッカーバトルの数々。破天荒でとことんバカバカしい独特のノリは、一見とっつきにくく感じるのだが、慣れてくるとこれがまた妙に癖になる不思議な味わいだ。一番楽しい筈のサッカーシーンがやや少なめだったことが残念といえば残念か。[2005/04]

死神"ブギーポップ"への理由無き復讐を誓う蒼衣秋良。出来損ないの人造人間として生まれ出でた彼は、もう一人の人造人間織機綺に出会う。牙の痕と呼ばれる奇妙な一帯に彷徨いこんだ二人は、謎の少年ブリックに遭遇する。メビウスの環のように閉じた異空間の中から彼らは脱出することが出来るのか。そしてブリックの正体とは。
ブギーポップシリーズ13冊目。前作の『ブギーポップ・スタッカート』 [Amazon] が出たときに、1年ぶりだよなんて書いていたけど、今回はなんと2年ぶり。途中に『ビートのディシプリン』 [Amazon] のSIDE2 [Amazon] と3 [Amazon] が入っていたりはするわけだが、それにしても久しぶり過ぎ。谷口クンやら、末真さんやら懐かしキャラがたくさん出てきているわりには、浦島状態でもう誰が誰だがサッパリ覚えてないよ。作品リストを巻末につけるのもいいけど、キャラクター紹介表も最初につけておいて欲しい。シリーズの終わりは見えてきているけど、終わりってのは見えてきてからが長いんだよな。
今回のウリはきっと織機綺の再登場。このシリーズ、第一作の『ブギーポップは笑わない』 [Amazon] が面白かったことは言うまでもないんだけど、人気が続いたのは第二作の『ブギーポップリターンズ』 [Amazon] でわりと普遍的な薄幸ヒロイン恋愛モノをやって、盛り上げたところも大きかったんじゃないかと邪推している。それだけに往年のヒロインの再登場には期待がかかったのだが、やっぱり人間幸福になっちゃうと駄目だな。かつての綺の魅力は半減以下。作者の筆力の問題なのか、それともテイストが替わってしまったのか、というかどっちもかな。[2005/04] ⇒次巻

世界有数の軍事予算を持つ我が国日本。その首都の防衛は現在どのようになっているのか。2003年の有事法制の制定で何が変わったのか。東京の地下に張り巡らされた地下網は、有事にどのような意味を持ってくるのだろうか。地下鉄内を戦車が走り、国道は飛行場になる。そして首都中枢部大手町駅に隠された極秘のテロ対策とは!?
2004年刊行。かの秋庭俊クンのインタビューが掲載されているくらいだから、地下にまつわる電波ゆんゆんな面白話が楽しめるのかと期待して衝動買いした一冊。しかし最初の数ページでその期待は裏切られる。本当に下調べや推敲をして書いているとはとても思えないやっつけ仕事的いい加減かつ、適当であまりに空疎な内容に呆れかえる。その記述がどれくらいいい加減でダメダメなのかはここいら辺(2ch:鉄道板:「帝都東京・隠された地下鉄網の秘密」どうよ 5)を参照のこと。
妄想まみれであろうが、激しく電波な内容であろうが、ある意味覚悟して買っているのでその点はこの際気にならないのだが、それにしても内容が薄すぎる。知識も情熱も無い人間が、とりあえず原稿用紙のマスだけ埋めてみましたという一冊。久々の焚書級が来た。即刻ブックオフ行き決定だ。[2005/04]
民間企業で海底に沈むメタンハイドレードの試掘を行っていた鯛島俊機と見河原こなみは、正体不明の巨大海洋生物ニュークに遭遇する。ニュークによる大型船舶の相次ぐ遭難に、遂にはアメリカ海軍が出撃するのだが、謎の生命体の猛威はその軍事力すらも退ける。彼らはどこから来たのか。人類未到の超深海で何が起ころうとしているのか。
2002年刊行。小川一水版海洋冒険活劇。ライトノベルの皮を被りながらもエスエフ的なガジェット(氷IVとか)も適度に盛り込まれていてそつのない作り。だが事件の根本的な解決がなされていないのはもどかしい。話の壮大さを考えると一冊で終わってしまったのは惜しい気もするけど、続きが出せるかどうかわからない状況の中でそれなりの幕引きをしてみせたことは評価すべきところか。[2005/04]