
1990/07/25〜1991/07/25
第一回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作三作を文庫化。
同賞応募作品の中で優れた作品でありながらも、
ハードカバーでの出版には至らなかった作品群の受け皿として創刊されたのではないかと推測される。
◆
![]() |
星虫岩本隆雄 \466(税別) |
入手困難度:★★★★
→ソノラマ文庫版は入手可 お薦め度:★★★★★ |
|
<作者プロフィール> |
|
4月6日生まれ。大阪在住。次作『イーシャの舟』を上梓の後、十年のブランク期間を経て2000年に入りようやく作家活動を再開。完全新作となった『鵺姫真話』は前二作の流れを汲む作品となっている。 |
|
<作品プロフィール> |
|
第一回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作。岩本隆雄のデビュー作品。賞は選外となったが新潮文庫のファンタジーノベルシリーズの一冊として刊行された。ファンタジーノベルシリーズの絶版と共に長らく幻の名作とされてきたが2000年入ってに朝日ソノラマからソノラマ文庫の一冊として復刊した。ソノラマ版では若干の設定の変更や加筆修正が行われている。 |
|
<作品内容> |
|
氷室友美の夢は宇宙パイロットになること。しかし高校生となった今、現実は必ずしも友美に対して友好的なものではなかった。そんなある日突然地球に降り注いだ数十億もの星虫たち。人間の額に張り付いたそれは感覚機能を飛躍的に向上させる機能を有していた。誰もが当初は星虫を受け入れていたが、無気味なまでに成長を続けていく星虫を前に人々の嫌悪感は高まっていく。 |
|
<コメント> |
|
復刊を願う声がここ数年絶えなかった隠れた名作でした。ソノラマ版が出てしまったのでもう「幻の」という形容は似合わないかな。詳細なブックレビューはこちらにて。旧版と比較したソノラマ版のレビューもあります。 |
![]() |
月のしずく
|
入手困難度:★★★
お薦め度:★★★☆ 本人HP:岡崎弘明のWEB |
|
<作者プロフィール> |
|
1960年生まれ。熊本県出身。早稲田大学商学部卒。本作がデビュー作だが、翌年の第二回日本ファンタジーノベル大賞では優秀賞を鈴木光司『楽園』と分け合い受賞することになる。他作品に『たんぽぽ旦那』(新潮社)などがある。 |
|
<作品プロフィール> |
|
第一回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作品。岡崎弘明デビュー作品。残念がら選には漏れたものの新潮文庫のファンタジーノベルシリーズの一冊として刊行された。 |
|
<作品内容> |
|
売れないシナリオライターひろしと同棲中の春子。喧嘩の果てに部屋を飛び出した春子は何故かひろしの描くところのミュージカルシナリオの世界へと入り込んでしまう。そこは書き割りの背景、吊された天体、謎の怪物ゴジやダツジのはびこるいい加減きわまりない世界だった。天使役を演じることを強制された春子の前に次から次へと奇妙な事件が訪れる。 |
|
<コメント> |
|
とぼけた作風に味があります。このヘンテコ加減を楽しみましょう。加藤洋之+後藤啓介の表紙が美麗。 |
![]() |
武良竜彦 \427(税別) |
入手困難度:★★☆
お薦め度:★★★☆ |
|
<作者プロフィール> |
|
不明。っていうか、これ一冊で後が続かなかった作家なもので、いろいろ調べたのですが良くわかりませんでした。が、児童書の分野で同名の作家が何冊か本を出しています。なかなかいない名前だと思うので同一人物だと思うのだが。情報お持ちの方よろしく〜(他力本願)。 |
|
<作品プロフィール> |
|
第一回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作の一作。残念ながら賞は選外となったが新潮文庫のファンタジーノベルシリーズの一冊として刊行された。 |
|
<作品内容> |
|
宮沢賢治先生は迷子になった山羊を探しているうちに<イーハトーボ>の世界へと迷い込んだ。そこで先生は二人の青年ファゼーロとミーロ、そして奇妙な力を持つ三日月銀次郎、三味線の桃次郎などの「エレキやなぎ猫」たちと知り合う。彼らを伴い悪徳議員のデストウバーゴとの戦いに乗り出す賢治先生の活躍を描く。 |
|
<コメント> |
|
個人的に賢治の『ポラーノの広場』にはトラウマがあるので当時はツボ直撃な作品でした。オリジナルのエレキやなぎ猫がインパクト強すぎて賢治的世界とはちょっとそぐわない感があって、そこが残念といえば残念。 |
第二回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作二作を文庫化。
タイミング的に大賞受賞作の刊行(12/10)からほとんど時間を置いていない。
大賞選外作発表の受け皿として、ファンタジーノベルシリーズが既に機能していたことが伺える。
◆
![]() |
加藤正和 \505(税別) |
入手困難度:★★☆
お薦め度:★★★ |
|
<作者プロフィール> |
|
この作家も不明。これ一作で打ち止めの方だったのでしょうか。調べてみましたがこちらは同姓同名多すぎてわけわかりませんでした。情報お持ちの方よろしく〜(またしても他力本願)。 |
|
<作品プロフィール> |
|
第二回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作。惜しくも賞は選外となったが新潮文庫のファンタジーノベルシリーズの一冊として刊行された。落語ファンタジーSF小説。 |
|
<作品内容> |
|
江戸時代。捨て子として八公に拾われた百合五郎は長じるに連れて。念で釘を曲げて見せたり、未来の事を予測してみたりと不可思議な能力を発揮していく。噂が噂を呼び見せ物小屋にまでかり出された百合五郎はかくて江戸でも評判の人気者に。とうとう将軍家からのお声がかかるのだが、そこで事態は思いもよらぬ方向へと進展する。 |
|
<コメント> |
|
落語+ファンタジー+エスエフの三題噺としてその融合の妙を楽しむ作品。自分的に落語の素養があればもっと楽しく読めるんだろうなあ、というのが当時の感想。 |
![]() |
村上哲哉 \427(税別) |
入手困難度:★★☆
お薦め度:★★★ |
|
<作者プロフィール> |
|
鹿児島県出身。能條純一のアシスタントを経て作家デビュー。 |
|
<作品プロフィール> |
|
第二回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作。賞は選外となったが新潮文庫のファンタジーノベルシリーズの一冊として刊行された。表紙や作中のイラストも本人作。 |
|
<作品内容> |
|
プロ野球初の少女監督の誕生か!?祖父の遺言でパリーグ万年最下位の東亜ホワイト・ウイングスを率いることになった由貴。しかしその前途は厳しい。リーグ優勝出来なければ球団は身売りとなってしまうのだ。強豪ひしめくペナントレースの中で、落ちこぼれ球団ホワイト・ウイングスの奮闘が始まる。 |
|
<コメント> |
|
「落ちこぼれ球団再生譚」です。解説で荒俣宏も驚いてますが、何故これがファンタジー?というくらいファンタジーの概念から飛び出ています。作者の野球への愛が伝わってくる一品。 |
第二回ファンタジーノベル大賞応募作品をリライトした流星香『魔剣伝』に、
初の同賞出身作家による書き下ろし作品、岩本隆雄の『イーシャの舟』の二冊を刊行。
そろそろネタ的に苦しくなってきました。
◆
![]() |
流星香 \427(税別) |
入手困難度:★★☆
お薦め度:★★★ 本人HP:流星香 |
|
<作者プロフィール> |
|
「ながれせいか」と読みます。代表作に『プラパ・ゼータ』シリーズ『天竺漫遊記』(共に講談社X文庫ホワイトハート)、『影法師・暗狩』『帝国猟奇探偵社』(共に小学館キャンパス文庫)がある。他著作多数。 |
|
<作品プロフィール> |
|
第二回日本ファンタジーノベル大賞の応募作品をリライトした作品(だと思う。ちと自信なし)。流星香のデビュー作品。 |
|
<作品内容> |
|
その裡に魔が潜むという伝説の魔剣。若き日の斉藤道三は一降りの刀を手に入れたことから野望の階段を一気に駆け上がることになる。時は流れ、道三の愛妾が産んだ子供は魔剣と共に忍の一団に拾われシナと名付けられ養育されることになる。やがて成長したシナは次第に魔剣に魅せられていく。 |
|
<コメント> |
|
表紙が高河ゆんということもあってかかなり当時は売れた筈。90年代前半で、ファンタジーノベル・シリーズの中で二版や三版かかった作品を見たのはこのシリーズくらいだと記憶しています。 |
![]() |
岩本隆雄 \466(税別) |
入手困難度:★★★★
→ソノラマ文庫版は入手可 お薦め度:★★★★☆ |
|
<作者プロフィール> |
|
4月6日生まれ。大阪在住。本作『イーシャの舟』を上梓の後、十年のブランク期間を経て2000年に入りようやく作家活動を再開。完全新作となった『鵺姫真話』は前二作の流れを汲む作品となっている。 |
|
<作品プロフィール> |
|
『星虫』に続く岩本隆雄第二作。時系列的には『星虫』の前日譚ともいうべきストーリーとなっている。一時絶版となったがこちらも2000年に入り朝日ソノラマからソノラマ文庫の一冊として復刊した。ソノラマ版では大幅な加筆修正が加えられている。 |
|
<作品内容> |
|
宮脇年輝の不幸は筋金入りだ。身寄りもなく、莫大な借金を抱え、守銭奴そのものの雇い主の下でタダ働き同然の暮らしを強いられていた。そんな年輝に追い打ちをかけるような災難が訪れる。無気味な伝説の残る「入らずの山」で妖怪天邪鬼に取り憑かれてしまったのだ。日々成長を続ける天邪鬼との生活の中で年輝の生活は大きくかき乱されていく。 |
|
<コメント> |
|
必ず『星虫』とセットで読むことを強くお奨めします。ちゃんと刊行順に『星虫』→『イーシャの舟』の順番で。ソノラマ版が手軽に入手出来ます。ブックレビューはこちら。シリーズ最新作『鵺姫真話』のレビューはこちらへ。 |
◆